2018年11月13日(火)

東芝、「後発」のIoT 優位分野で勝機探る

東芝
エレクトロニクス
2018/11/8 23:39
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東芝が8日に発表した中期経営計画で、中期的な成長分野に位置づけたのが、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」などデジタル技術の活用だ。電力設備やエレベーターなど高いシェアを持つインフラ事業で、保守や管理などの新サービスで付加価値を高める。だがこの分野で後発であることは東芝自らが認めるところだ。

東芝は10月1日付で、デジタルを核にした事業変革の責任者として独シーメンス日本法人専務執行役員だった島田太郎氏を招いた。その島田氏は東芝のIoT事業の現状について「技術やデータが生まれる顧客基盤はある。ビジネスモデルがこれからだ」と語った。

例えば電力の送配電事業では、国内の電力大手とのパイプを生かす。電力の需要動向に応じて細かく電力量を制御できれば、故障防止やコスト低減につながる。国内で5割近いシェアを持つ店舗のPOS(販売時点情報管理)端末でも、消費者の購買動向などのデータをAIで分析し、新たなサービスが開発できる可能性もあるという。

ただIoT分野では競合大手が先行する。国内では、三菱電機が2000年代前半からIoTを利用したファクトリーオートメーション(FA)事業に注力している。日立製作所も2010年代からIoT推進を経営戦略の核に明確に据え始めた。三菱電と日立は共に巨額損失を計上するなど経営危機を体験。これを契機に構造改革を進めるなかで成長戦略を模索してきた。

一方、東芝はその間に半導体メモリーや原子力発電などで拡大戦略に突き進んだ。不正会計と米原発での巨額損失に苦しんだ15年以後の経営危機は、成長へ向けた取り組みの空白期間になった。

IoTは競合が多いだけでなく、事業化が難しい側面もある。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は同分野に先行したが、いまだに収益の柱に育てられずにいる。島田氏も「(競合企業で)成功しているのは独シーメンスくらい」と語る。「産業分野で眠る膨大なデータの近くにいる」(車谷会長)という既存事業の資産を生かして、追いつくことができるか。

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