2018年11月16日(金)

インドネシアに4万年前壁画 野生牛「最古の具象画」

東南アジア
社会
2018/11/9 2:04
保存
共有
印刷
その他

インドネシアのカリマンタン島東部の洞窟に残る野生の牛とみられる動物などを描いた壁画は4万年以上前のものとする調査結果を、同国やオーストラリア・グリフィス大の研究チームが7日付英科学誌ネイチャー電子版で発表した。チームは「動物などを描いた具象画としては世界最古」としている。

野生の牛とみられる動物(左下)が描かれたインドネシアの洞窟壁画=研究チーム提供・共同

野生の牛とみられる動物(左下)が描かれたインドネシアの洞窟壁画=研究チーム提供・共同

チームは今回の壁画を、現生人類が欧州で残した最も古い洞窟の壁画とほぼ同時期とみている。単純な絵ではなく具体的な描き方をしていると強調している。

洞窟の絵などは欧州が中心となって発展したと考えられてきたが、インドネシア・スラウェシ島の洞窟壁画でも約4万年前の手形が既に見つかっており、チームは「遠く離れた欧州とインドネシアで、ほぼ同時期に生まれた」とみている。

一方で、スペインの洞窟に残る直線や手形などを、6万年前以前にネアンデルタール人が描いたとの分析を、ドイツの研究者らが2月に米科学誌サイエンスで発表した。洞窟壁画の広がりを巡り議論を呼びそうだ。

壁画をなぞったイラスト。黒い四角の枠内から4万年前の年代を示す試料が採取された。左下に野生の牛らしき動物が描かれている=研究チーム提供・共同

壁画をなぞったイラスト。黒い四角の枠内から4万年前の年代を示す試料が採取された。左下に野生の牛らしき動物が描かれている=研究チーム提供・共同

カリマンタン島東部の石灰岩の洞窟で発見された数多くの壁画は、用いられた顔料から「赤みがかったオレンジ色」「濃い紫」「黒」の3時期に分けられてきた。野生の牛とみられる動物や人間の手形、図形や人の姿が描かれている。

6つの洞窟で採取した顔料を覆う石灰石の年代を、含まれる放射性物質の量から推定。最も古いオレンジ色の壁画は約5万2千~4万年前のものと結論付けた。

その後、約2万年前になると、濃い紫の壁画が出現。チームは文化面での大きな変化を示す証拠だとしている。〔共同〕

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報