新幹線、輸出に弾み 国際フォーラムでJR首脳ら

2018/11/8 20:00
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JR東海などが中心となり新幹線技術の国際標準化を目指す国際高速鉄道協会(IHRA、アイラ)は8日、福岡市内で国際フォーラムを開いた。葛西敬之名誉会長らJR各社の首脳らが、技術の優位性などを解説した。米国やアジア太平洋向けの新幹線の輸出に弾みをつける狙いがある。

新幹線方式で高速鉄道を整備するインドからも官民の関係者が相次いで登壇した(8日、福岡市)

新幹線は「衝突回避型」と呼ばれる、日本独自の仕組みを採用している。道路などと交差しない専用軌道と自動列車制御システムを組み合わせたもので、衝突の可能性をゼロにするのが基本思想だ。

葛西氏は日本の鉄道の歴史を紹介するセッションで登壇。「踏切がないことで、安全に高速化できた」と、改めて優位性を紹介した。

一方、国際市場でライバルとなる欧州勢は、高速鉄道が在来線に乗り入れてネットワークを拡大する。踏切が残る可能性があり、車両も重厚になりがちだ。葛西氏は「19世紀の技術と20世紀の技術を同時に使うのが日本との違い」という。

この日のフォーラムには、新幹線方式による高速鉄道(ムンバイ―アーメダバード間)整備を決めたインドからも官民の関係者がそれぞれ登壇。2023年の開業を目指す同高速鉄道が「国や経済を変えるきっかけになる」と期待した。

コンサルティングで関わるJR東日本の冨田哲郎会長は「鉄道は技術の結晶。インドの技術革新も実現できる」と強調。駅を中心とした都市開発や移動時間の短縮による生産性向上などを挙げ「インド経済全体の成長につながる」と述べた。

IHRAが国際フォーラムを開くのは2年ぶりで、今回は16カ国・地域から300人あまりが出席。東海道新幹線に比べれば、世界的にも人口集積度が少なく高速鉄道の採算が取りにくい地域が多いのも現実だ。どこまで日本方式の高速鉄道を広げられるかどうかが課題になる。

「訪日外国人や観光需要を取り込む努力をしている」と述べ、具体的な取り組みを紹介したのはJR九州の青柳俊彦社長。沿線の人口集積が比較的少ない九州新幹線は「ビジネス需要だけで車両を満たすことはできない」。今後、高速鉄道の建設を検討する国・地域にとって、ヒントになる可能性がある。(横田祐介)

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