2018年11月17日(土)

トランプ氏、民主に秋波とけん制 対日貿易赤字に不満

貿易摩擦
米中間選挙
北米
2018/11/8 9:14
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は7日、ツイッターでセッションズ司法長官が辞任すると発表した。中間選挙の結果を受けた人事刷新の一環としており、事実上の更迭となる。記者会見では下院で過半数を奪還した野党・民主党に政策面での協力に向けた秋波を送る一方、政権を巡る疑惑追及の動きをけん制した。対日政策では日本の対米貿易黒字を改めて問題視する姿勢をみせた。

司法省によると、トランプ氏が辞表の提出を求め、セッションズ氏が受け入れた。両氏は2016年の大統領選でのトランプ氏周辺とロシアの不透明な関係を巡るロシア疑惑の捜査の監督をめぐって確執を深めていた。

後任を指名して議会に承認されるまでウィテカー司法長官首席補佐官が長官代理を務める。司法長官の辞任の際に副長官が代理を務めないのは異例。ウィテカー氏はトランプ氏と親しいとされ、民主のロシア疑惑の追及に備えた動きとの見方も出ている。

「日本は米国をとても不公正に扱ってきた」とトランプ氏は不満をあらわにした=AP

「日本は米国をとても不公正に扱ってきた」とトランプ氏は不満をあらわにした=AP

トランプ氏はホワイトハウスで開いた記者会見でロシア疑惑について「何百万ドルもの公金が使われ、しかも何の共謀もない」と強調。「これは米国にとって非常に良くないことだ。もうやめるべきだ」と捜査の終結を求めた。

対日政策に関しては「安倍晋三首相は最も親しい仲にある一人だが、日本は米国を貿易面で不公平に扱っている」と批判。「日本は米国車を輸入せず、仮に輸入する場合でも莫大な関税がかかる」と主張した。

「日本に対しては1千億ドル(約11兆3000億円)近い貿易赤字を抱えている」とも発言した。実際は17年の米国の対日貿易赤字は約690億ドルで、米国製乗用車の輸入には関税はかけられていない。

今後、トランプ政権が掲げる公約の多くを進めるためには、予算編成権を持つ下院の多数派である民主の協力が必要になる。トランプ氏は記者会見で民主の下院トップ、ペロシ院内総務と「協力できるだろう」と述べた。具体的にはインフラ投資や通商政策、薬価の引き下げを例に挙げた。

下院議長に就任すると見込まれるペロシ氏も7日の記者会見で「共通点を見いだす責任がある」と述べ、政策面で協調する可能性を示唆した。トランプ氏とも電話し、民主も積極的なインフラ投資での協力を話し合ったという。

ただ、民主は下院の議会調査権をつかって、ロシア疑惑などトランプ政権のスキャンダルを追及する構えをみせている。トランプ氏は民主が疑惑の調査を進めた場合「我々も民主に対して同じことをやる」と強調。民主による重要情報の漏洩疑惑を追及して対抗する方針を示した。

具体的な内政の政策では与野党の対立点は多い。トランプ氏は民主が反対する不法移民対策としての「国境の壁」建設の実現にもこだわる考えを示した。今後、与野党が予算計上で合意できず、政府機関が一部閉鎖される事態になるかは「起きないとは約束できない」と述べ、民主との徹底的な対決も辞さない姿勢をのぞかせた。

一方、ペロシ氏は共和が進める医療保険制度改革法(オバマケア)改廃について「有権者が反対の意思をはっきり示した」と指摘し、制度維持を求めていく考えを示した。

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