2018年11月15日(木)

日本郵便、ドローンで離陸 「ゆうパック」視野

サービス・食品
2018/11/7 14:52
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日本郵政グループの日本郵便は7日、福島県でドローン(小型無人機)を使った郵便局間の荷物輸送を始めた。操縦者が視認できない範囲を飛ばす「目視外飛行」では国内初の取り組み。2つの郵便局間でチラシなどを運ぶ。人口減少が加速する山間部や過疎地の輸送の効率化や人件費の抑制につなげる。

浪江郵便局に着いたドローンから荷物を取る郵便局員

ドローンは福島県南相馬市の小高郵便局と、同県浪江町の浪江郵便局の間の約9キロメートルを飛行。強風や雨、降雪の場合を除き、1日最大2往復する。機体は国産ドローン開発の自律制御システム研究所(千葉市)が提供する。

初飛行のドローンは7日午前9時ごろ、小高郵便局の2階屋上から秋晴れの空へ勢いよく飛び立った。年賀状のパンフレットや地元の高校生が作った菓子を入れた「ゆうパケット」などを積み、計画通り約15分で浪江郵便局の屋上に到着した。

福島県と南相馬市、浪江町はロボットの実証拠点「福島ロボットテストフィールド」を整備し、ドローンの長距離飛行など物流分野での活用を目指す。離陸する様子を見守った門馬和夫・南相馬市長は「高齢者向けの配送など、生活に根ざした分野での活用につなげたい」と期待を寄せた。荷物を受け取った吉田数博・浪江町長は「物流の転換点になった。子どもたちにとって夢のある事業だ」と述べた。

日本郵便の担当者は「ノウハウを蓄積し、配達への活用など可能性を探りたい」と話した。

飛行は全地球測位システム(GPS)を活用し、完全自律飛行する。業務用ドローンの運用に必要な無線免許を持つ本社員8人が交代で立ち会い、機体に搭載されたカメラ映像で不具合などを確認する。両郵便局間の輸送は軽トラックで約25分かかっていたが、ドローンを活用すれば約15分に短縮できるという。

今回、郵便局の業務で使う2キログラム程度の書類やパンフレットの輸送に限定しているが、将来的には「ゆうパック」などの荷物にも拡大したい考え。商品の安全性の確保が課題になるため、今回の取り組みを通じて対応策を探り、山間部や離島での活用に拡大できるか検討する。

国土交通省は9月、人の目が届かなくなる場所でもドローンが飛べるよう、航空法に基づく飛行承認の許可要領を改定。国の許可を得れば、監視する補助者がいなくてもドローンを飛ばせるようになった。飛行場所は山間部などに限られ、都市部では行えない。

物流業界の人手不足が深刻化する中、ドローンの活用へ向けた取り組みは各地で広がっている。

楽天は静岡県藤枝市で中山間地域の住宅を対象に、日用品や弁当をドローンで届ける実証実験に取り組む。千葉市でもドローンと地上配送ロボットを使ってマンションの玄関先まで運ぶ宅配実験を行っている。米アマゾン・ドット・コムは注文した商品をドローンで数十分で届ける配送サービスを試験運用している。

いずれも将来、都市部での飛行が可能になることを見据えた取り組みだが、ドローン輸送には課題も多い。飛行時間が限られ、天候に左右されやすい。カメラ付きの機体の場合、プライバシーへの配慮も問題が残っている。(宮嶋梓帆)

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