2019年9月18日(水)

長期失業者50万人切る、2002年以降初 人手不足映す

2018/11/6 17:36
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仕事を探している期間が1年間を超える失業者が減っている。総務省が6日発表した調査によると、こうした長期失業者は2018年7~9月期に48万人と、四半期調査を始めた02年以降で最も少なかった。人手不足で経験を問わない求人が増えたことが主因で、ピークの10年7~9月期の4割弱まで減った。長期失業者が仕事に就いて技能を身につければ国全体の生産性向上につながる。

総務省がまとめた7~9月期の労働力調査(詳細集計)によると、失業期間が1年を超す長期失業者は4~6月期に比べて3万人減った。完全失業者全体(169万人)に占める割合は28.9%となり、前年同期に比べて8.3ポイント下がった。

日本は経済協力開発機構(OECD)などから「長期失業者の割合が多い」と指摘されてきた。年齢が上がるにつれて転職しにくいなど雇用の流動性の低さが長期失業者を生んでいたためだ。ただ7~9月の割合は3割を割り込み、17年時点のOECD加盟国平均(31%)を下回った。

長期失業者が最も多かったのは10年7~9月期の128万人だ。08年9月のリーマン・ショックの影響で製造業を中心に失業者が急増した。今年7~9月期はピーク時から6割超減った。

足元の労働市場は売り手優位だ。仕事を探す人1人に何人分の求人があるかを示す有効求人倍率(季節調整値)は9月に1.64倍と44年ぶりの高水準にある。企業は人材を確保するため、求人の条件を緩めている。

エン・ジャパンによると、直近1年間の正社員求人で、転職までの期間が空いていてもかまわないとする件数は3年前に比べて3.6倍に上った。経験を問わない求人は2.3倍だった。医療や介護などが受け皿になっているとみられる。

長期失業者は25~34歳が特に多く、男性が7割を占める。女性に比べて正社員での就業を希望する割合が多く、失業期間が長くなりがちだからだ。労働市場では非正規雇用の増加が続いてきたが、17年6月に正社員の有効求人倍率が初めて1倍を超え、今年9月に1.14倍と過去最高を記録した。正社員の仕事が見つけやすくなり、長期失業者が全体として減ることにつながっている。

一方、失業期間が1年未満の短期失業者数は増えている。売り手市場をにらみ、賃金などがより良い条件の仕事を探す転職者が増えたためだ。

就職氷河期世代にあたる現在35~44歳の就業にはなお課題がある。この年代でも長期失業者数は減っているものの、なお長期失業者全体の2割超を占める。大学や高校を卒業した際、就職できなかったことが現在まで響いている。政府や企業は中途採用の拡大に取り組む必要がある。

厚労省によると、35~44歳では仕事も求職活動もしていない無業者も17年時点で41万人と高止まりしている。このまま高齢化すれば、年金が少なくなり生活保護を受ける人が増える恐れがある。

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