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トヨタ、増収増益でも「地域別で負け越し」に危機感

自動車・機械
中部
2018/11/6 16:59
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決算発表するトヨタの小林耕士副社長(中央)ら(6日午後、東京都文京区)

決算発表するトヨタの小林耕士副社長(中央)ら(6日午後、東京都文京区)

トヨタ自動車が6日発表した2018年4~9月期連結決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比16%増の1兆2423億円だった。売上高は過去最高となる3%増の14兆6740億円だ。好調な販売とコスト削減で増収増益となったが、記者会見で小林耕士副社長は「地域別では五分五分か、7勝8敗くらい。売上高については丸に近い三角だ。まだ伸ばしたい」と言及。米国と中国の2大市場で貿易摩擦が激しさを増すなか、収益力の底上げを急ぐ方針を示した。

グループの世界販売は前年同期比7万7000台増の529万3000台。小林副社長は「地域別に見れば市場成長に(販売が)追いついていないところもある」と課題を述べた。

■「コスト、どうなるかわからない」

焦点のひとつは米国戦略だ。この日の記者会見には営業部門を統括するディディエ・ルロワ副社長、北米トヨタのジム・レンツ最高経営責任者(CEO)も出席。米国とカナダ、メキシコの間で見直しが決まった北米自由貿易協定(NAFTA)の影響について、レンツ氏は「コストはまだどうなるかわからない」としたものの、トヨタはハイブリッド(HV)車を含めると現地調達比率は下がるとしている。小林副社長は「HVの部品コンポーネントを順次、現地で生産することを考えている」と語った。関税対策に加え、グローバルな調達戦略に磨きをかける狙いがある。

北米の経営環境は厳しい。18年3月期は北米の所在地別の営業利益は1321億円だった。過去最高水準だった15年3月期(5379億円)から、わずか3年で約4分の1に落ち込んだ。トヨタは21年までの3年間に米国で31の新型車を導入し、インターネットを通じた販売も強化する方針だ。

レンツ氏は20年までに米国の商品ラインアップの15%以上をHVなどの次世代環境車にすると説明。電気自動車(EV)についても「準備を進めている」とした。20年前後には北米の仕向け地ベースの売上高営業利益率を15年3月期のピークに匹敵する8%にまで高めるという。「8%は(ゼネラル・モーターズ=GMなど)ビッグスリーやホンダ日産とも比較した妥当な数字」(レンツ氏)という。

■国内生産「300万台にはこだわりたい」

中国市場も「長期的には成長をし続ける」(ルロワ副社長)と見ている。足元は中国が米国対抗策の一貫で輸入車関税を引き下げ、高級車「レクサス」が売れているものの、トヨタのシェアは5%程度にとどまり開拓の余地は大きい。広州市や天津市で増産体制を整え、21年には中国の生産能力を現在より35%多い年間約170万台に引き上げる計画だ。国内生産については「300万台にはこだわりたい」(小林副社長)と改めて強調した。

市場はトヨタの戦略を冷静に見極めようとしている。この日は19年3月期の連結純利益見通しを前期比8%減の2兆3000億円と、2兆1200億円だった従来予想から上方修正。さらに自社株買いを打ち出したのが好感され、トヨタの株価は1時4%高の6728円まで上昇。終値も2%高の6630円だった。

トヨタ株の年初来高値は1月の7806円。そこから山谷はあるものの下値を切り下げるかたちで10月には6396円まで下げた。下落幅の「半値戻し」にあたる7100円をいかに早く取り戻せるかが、目先の焦点になりそうだ。(押切智義、大本幸宏)

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