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ラグビー日本代表、完敗のNZ戦で得た収穫と課題

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2018/11/7 6:30
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ラグビー日本代表は3日のニュージーランド戦で31-69の完敗を喫した。日本はこのカード過去最多の5トライを挙げたが、ワールドカップ(W杯)2連覇の王者の"うまさ"を前に、課題も多く出た。

開始30秒。日本の思惑がいきなり外れた。

相手ボールのキックオフを捕球。密集をつくった後、SO田村優が左に高いキックを上げる。追うのは俊足のWTB福岡堅樹。落下地点に到達する5メートル前、コース上にニュージーランドの選手がいた。ジャンプできない福岡。後方のCTBウィリアム・トゥポウもタイミングを狂わされ、空中の相手に接触。反則を取られた。

前週の世界選抜戦では全く違う光景が見られた。ハイボールを蹴ると、近いサイドの3人が追走。逆サイドの1人も加勢して落下地点に殺到する。4対2、4対3の数的な優位をつくり、相手からボールを奪い返した。

ハイボールを競り合うリーチ(中央奥)。ニュージーランドは落下地点の前に妨害役を配置するなど日本の戦術を研究していた

ハイボールを競り合うリーチ(中央奥)。ニュージーランドは落下地点の前に妨害役を配置するなど日本の戦術を研究していた

ニュージーランドはこの戦術を研究。その後も日本がキックを上げると、落下地点の前に妨害役を配置していた。反則とされてもおかしくないものもあったが、日本の追走役は毎度のように死に体にさせられた。

「ニュージーランドはブロックの仕方や、空中(の競り合い)に入るタイミングがすごくうまかった」と福岡は舌を巻く。肝心の蹴り手のコントロールにも問題があり、日本のキックが効果的に働いた場面は少なかった。

主審の傾向利用し日本の生命線断つ

さらに大きな痛手となったのがタックル後の密集戦だ。ニュージーランドのタックラーは、日本の選手を離さないままボールに絡んだり、倒れたまま脚で球出しを邪魔したり。反則すれすれの行為で妨害をした。

日本はボールの再確保に時間がかかり、攻撃のテンポを上げられない。「ブレイクダウン(密集戦)からスピーディーに球が出て初めて、僕らのラグビーができる」とSH流大。ニュージーランドはグレーゾーンを許容する主審の傾向を利用して、日本の生命線を断ちにきた。

前半36分にはこんなシーンも。プロップ稲垣啓太がパスをした直後、ニュージーランドのデーン・コールズが反則気味に体当たり。稲垣は倒れ、その弾みで後方のビンピー・ファンデルバルトまで足を取られかけた。パスを受けた姫野和樹が突進したものの、稲垣、ファンデルバルトのサポートがやや遅れ、ボールは奪われた。W杯優勝を知る猛者、コールズの何とも嫌らしいプレーだった。

日本はハーフタイムにコーチ陣から修正の指示が飛んだが、修正できず。ルールブックの行間を読むようなプレーだけでなく、個々のボール奪取の技術もニュージーランドは高かった。日本が密集戦でボールを奪われた回数は2桁。ここ数年では最多かもしれない。

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