日本ラグビー勝利への扉

フォローする

ラグビー日本代表、完敗のNZ戦で得た収穫と課題

(3/3ページ)
2018/11/7 6:30
保存
共有
印刷
その他

世界選抜戦の劣勢から一転、マイボールは9度のうち8度を確保した。殊勲の一人、稲垣は言う。「(最初に)ヒットして前に出たとき、前の3人だけでなく後ろの5人も足を前に詰めてくれないと、(後方に)戻ってしまう。前回できなかったことがきょうはできた」

FW第1列が立ち合いで前に出た後、後ろが追随しないと、隙間ができて体は後ろに下がる。体が伸び、力の出にくい体勢にもなりかねない。しかし、この日は組んだ後、後ろのロックらが足を素早く前に運んでいた。

世界選抜戦で3度喫したスクラムの反則も1度だけ。その1度は、崩れた原因が日本にあると判定されたもの。フッカー坂手淳史は試合中の対策を説明する。「崩れたらどちらの反則を取られるかわからない。崩れないようにぐっとこらえ、前に出ていくことにした」。以後はスクラムが崩れることは減り、反則もなかった。

計5トライに象徴されるように、日本の得点力も確かに磨かれている。特に、相手の守備を崩しかけた後のフィニッシュの精度やレパートリーには向上がみられる。

個々の選手を見ても、福岡は鋭いランでトライをアシスト。守備でもタックルの後、相手の力を利用して前に回り込んでボールを奪う得意技も披露した。「5年前の対戦に比べ、個人として通用した部分がたくさん出せたのは収穫」。言葉の端々ににじむ自信が充実を示す。

福岡(右)は「5年前の対戦に比べ、個人として通用した部分がたくさん出せたのは収穫」と語る

福岡(右)は「5年前の対戦に比べ、個人として通用した部分がたくさん出せたのは収穫」と語る

久々のテストマッチで「W杯に向けて一番下からのスタートです」と意気込んでいたツイ・ヘンドリックや、負傷から復帰した姫野、リーチ・マイケル主将のFW第3列も好調だった。

日本が目指す場所、より明確に

チームの雰囲気も暗くない。リーチ主将は「これからどうやって世界のトップに勝つか、たくさん課題ができた。これからよりいい準備ができる」

問題が多く出た密集戦も、選手の頭の中に改善策はある。「ラックができるまでに(早く)敵を排除しないといけない。(ボールを持つ選手に)パスをしないってわかった瞬間にサポートにつく形にしてもよかった」と稲垣は分析する。

今回、ニュージーランドが見せた効率のいい試合運びは今の日本が目指す姿でもある。「我々がやりたいことの最高峰をやられた。あそこまで上がろうというスタンダードとしてみんなが実感したと思う」と稲垣。目指す場所がより明確になったこともプラスに働くだろう。

次は17日にジョーンズ前HCが率いるイングランドとの対戦が待つ。会場は8万人を収容するロンドン郊外の聖地トゥイッケナム競技場。「チームを盛り上げてイングランド、それからロシアを倒して帰ってきたい」とリーチ主将。W杯本番まで1年を切り、実り多い秋のツアーにできるか。

(谷口誠)

日本ラグビー勝利への扉をMyニュースでまとめ読み
フォローする

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
保存
共有
印刷
その他

ラグビーコラム

「ラグビーとビジネス」フォーラム

電子版トップスポーツトップ

日本ラグビー勝利への扉 一覧

フォローする
後半、スクラムを組む日本のFW陣。安定したセットプレーは勝因の一つだった

 自国開催のワールドカップ(W杯)への、一里塚になり得る試合だった。ラグビー日本代表は今年初の公式戦でフィジーに快勝。9月の本番に向け、チームの「幅」の広がりを感じさせる試合となった。
 7月27日のリ …続き (8/1)

パリ大会1次リーグのスコットランド戦では健闘を見せたものの、ラストワンプレーで逆転された(日本ラグビー協会提供)日本ラグビー協会提供

 東京五輪のメダル獲得を目指すラグビー7人制の男子日本代表が岐路に立たされている。国際大会ワールドシリーズ(WS)の全大会に出場できるコアチームから降格。強豪国との対戦機会が減り、強化策の修正を迫られ …続き (6/28)

サンウルブズは今季2勝14敗で、スーパーラグビーの最下位に沈んだ=共同共同

 スーパーラグビー(SR)、サンウルブズの今季は厳しいものだった。9月開幕のワールドカップ(W杯)に臨む日本代表との兼ね合いで陣容は手薄になり、最下位に沈んだ。2021年にSRから除外されることも決定 …続き (6/21)

ハイライト・スポーツ

[PR]