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ラグビー日本代表、完敗のNZ戦で得た収穫と課題

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2018/11/7 6:30
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そして、ニュージーランドはこうした攻守交代やキックからの逆襲を大好物としている。プレーの選択、つなぐ技術、ランのスピードは主力不在とはいえ、一級品だった。流は「やれている感覚があるのにいつの間にかスコアが開いた」。攻勢が得点板に反映されない徒労感を明かす。

ニュージーランドのややダーティーなプレーは「意図的だったと思う」とも流は言う。ニュージーランドはこの日のカーリー主審のもとで2017年も試合をしている。判定の傾向を知ったうえでの"確信犯"だったのだろう。

トライを決めるラウマペ(手前中央)。主力不在でもニュージーランドのプレーの選択、つなぐ技術、ランのスピードは一級品だった

トライを決めるラウマペ(手前中央)。主力不在でもニュージーランドのプレーの選択、つなぐ技術、ランのスピードは一級品だった

浮かび上がったピッチ外の課題

ここでピッチ外の課題も浮かび上がる。日本は審判の分析はほとんどしていなかった。準日本代表であるスーパーラグビーのサンウルブズでもここを担当していた田辺淳コーチは、この秋から外された。代わりのコーチの補充はなし。審判の癖の把握はW杯に欠かせぬ要素。どう取り組むのかは早急に決めるべきではないか。

ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は試合後、「6人の主力にけががあり、ベストメンバーではなかった」とも話した。そのうち3人が集中したWTB、FBの構成は特に苦しくなった。ただ、中にはHCのもとでの練習で負傷した選手もいる。

10月の宮崎合宿。午前に約4時間、午後も1時間強という猛練習が続いた。今回の負傷には疲労との関係が深い種類のものもあったという。体調管理は十分だったか。検証が必要だろう。

思い出すのが、15年ワールドカップ(W杯)前のある選手の言葉。エディー・ジョーンズ前HCのもとで行われた1日4度の練習の厳しさを表現するため、冗談交じりにこう語っていた。「誰かが軽い肉離れでもしたら練習が楽になるのではないか。そんなことすら考えました」

願いは届かなかった。「スタッフ陣が絶妙なコントロールをする。けがをするギリギリまではやるけれど、けがはしない。そういうところは一流だった」

ハードワークで選手を鍛え、一体感を生むのがジョセフHCの流儀。ならば、なおさら緻密な体調管理が求められる。こうした課題はHCだけの責務ではなく日本ラグビー協会のサポートにもかかっている。

攻守交代後の守備、ラインアウトなど日本の課題はほかにもあるが、王者との対戦で逆につかんだものもある。特にHCが「課題を克服できてうれしい」と話したのがスクラムだった。

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