イラン銀行の送金網を遮断、米制裁を考慮か
国際決済ネットワーク「SWIFT」
【ブリュッセル=森本学】銀行間の国際的な決済ネットワーク「国際銀行間通信協会」(SWIFT・本部ベルギー)は5日、複数のイランの銀行をSWIFTの国際送金網から遮断すると発表した。トランプ米政権が同日再発動したイランに対する経済制裁との関連は言及していないがこれを受けた措置とみられ、イラン経済にさらなる打撃を与えそうだ。
「残念だが(遮断の)措置を取った」。SWIFTは5日公表した声明で、世界の金融システムの「安定性と統合性の利益を守る」のが理由だと説明。送金から遮断する銀行の数などは示さなかった。
SWIFTには200以上の国や地域の金融機関1万1千社以上が参加する。SWIFTが運営する決済ネットワークから遮断された銀行は送金情報を相手先に伝えられなくなり、国際的な送金をできなくなる。欧州などはイラン核合意の堅持に向けてイラン企業との取引維持を目指しているが、イランと貿易を続ける外国企業にとっては決済が一段と困難になる。
ムニューシン米財務長官はイランへの資金の「抜け道」を防ぎ、ミサイル開発やテロ支援の資金を断つイラン制裁の効果を高めるため、SWIFTにイランの金融機関を送金網から排除するよう要求していた。イランは2012年にも、米欧との対立でSWIFTから遮断されたことがある。