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共和党猛追、市場は歓迎

米中間選挙で目先、最も株高が期待できるシナリオは「上院も下院も共和党勝利」だ。

まず、トランプ大型減税の恒久化が期待できる。さらに、選挙戦終盤に突如飛び出した「中間層への10%減税案」も現実味が増す。

ウォール街が期待する規制緩和も進捗するだろう。

米中貿易戦争も、選挙を意識した強硬姿勢から、現実的な妥協案模索に移行する可能性がある。

ただし、これはあくまで短期の話だ。

来年には、その財政政策のツケの問題が市場の懸念材料となるは必至であろう。

経済過熱リスクが強まり、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースは加速が見込まれる。

米債券市場の需給も悪化するだろう。国債増発に対して、FRBも中国も米国債購入から手を引いている。5日も、米3年債入札が不調に終わったことが象徴的だ。米10年債利回りも3.2%台で高止まりしている。財政悪化を嫌気する悪い金利上昇が顕在化しそうだ。

ゆえに共和党勝利となれば、ニューヨーク(NY)株式市場は年末にかけてヘッジファンド主導の上げが見込まれる。一方、米年金など長期マネーは様子見の姿勢が強まろう。しかし、来年は長短金利の逆転(逆イールド)が現実化して、NY株価は下げの公算が大きくなる。

外国為替市場では、共和党勝利となればドル高に振れそうだが、中期的にはドル金利が上昇しても、基軸通貨としてのドルへの信認が薄れドル安となるシナリオとなる。

とはいえ、下院でも共和党が過半数を取るためのハードルは依然高い。

トランプ大統領が接戦州を精力的に回り、好調な米経済の持続をアピール。大統領支持率はここにきて上昇傾向、不支持率は下落傾向だが、それでも共和党僅差で及ばず、との見方が根強い。

あくまでワイルドカードのシナリオとみられる。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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