2018年11月19日(月)

違法な民泊施設、特定しやすく 観光庁がシステム構築へ

社会
2018/11/6 2:10
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観光庁は、海外の無登録業者が紹介している違法な民泊物件を自治体が特定しやすくする仕組みをつくる。業者が仲介サイトに載せている物件の情報などを集め、自治体が住民の苦情が出ている施設の情報を入力すれば照合して違法物件であることを確認できるようにする。早ければ19年度にも運用を始め、持ち主への指導などを通じて違法民泊の排除を狙う。

違法民泊を巡り、自治体は行政指導や警察への取り締まり要請を通じて是正する役割を担っている。しかし、海外の無登録業者のサイトに掲載されている違法物件の特定は難しいことが多い。

騒音など近隣住民の苦情を受けて調べるのが一般的だが、訪問しても「友達を泊めているだけ」などと言い逃れをすることもある。こうした場合はサイトで不特定多数の宿泊客を募っていることを確認する必要がある。

一方、サイト上では詳しい所在地が公表されていないことが多く、特定は内装写真などから進めるしかない。サイトが多いこともあり、観光庁の聞き取り調査に対し「違法物件で特定に至るのは3~4割」と説明した自治体もあったという。

このため同庁は海外の無登録サイトを把握し、掲載物件の位置情報などを収集するシステムを構築。自治体が、住民から情報提供のあった物件の所在地などを入力すれば合致するとみられる物件を絞り込めるようにし、違法性が疑われる物件の特定を容易にする。

2019年度から業者に委託しシステムの仕様の検討を開始。構築、調整を経て19~20年度中に都道府県、市区などが活用できるようにする。19年度予算の概算要求にシステム構築費など2億900万円を計上した。

6月施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)はインターネット上などで民泊物件を紹介できる仲介業者に登録を義務付けた。国内外の約50業者が登録。登録業者は同法に基づく届け出をしたり、旅館業法の許可を得たりした物件のみ掲載が認められ、扱う物件の情報提出も求められる。観光庁は登録業者に、適法と確認できない物件は削除するよう指導している。

問題は海外の無登録業者のサイトだ。観光庁は日本国内の物件が掲載されている中国、欧米などのサイトを15程度把握。同庁の担当者は「海外の業者は民泊新法の適用対象外。国内にいる物件の所有者や管理者に自治体などが直接指導する必要がある」と説明する。

観光庁はまた、登録業者に仲介物件のリスト提供を求め、適法性を調査。新法が施行された6月15日時点では2割に違法の疑いがあった。同庁はさらに9月30日時点の状況を調べている。

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