2018年11月15日(木)

日欧EPA承認案を閣議決定 最大級の自由貿易圏

貿易摩擦
経済
政治
2018/11/6 10:28
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政府は6日、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の承認案と関連法案を閣議決定した。同日中に国会に提出する。発効には日本の国会とEU議会での批准が必要で、政府は今国会で承認案を成立させ、来年2月1日の発効を目指す。発効すれば双方の関税が広く撤廃・削減され、世界の国内総生産(GDP)の約3割、貿易の約4割を占める自由貿易圏が生まれる。

日欧EPAは双方が国内手続きを終えた翌々月の1日に発効するとの取り決めがある。EU議会は12月中旬に最終的な採決をする見通しだ。日本が妥結した中では最大級の「メガ自由貿易協定(FTA)」となる。関税分野は農林水産品と鉱工業製品を合わせ日本側が約94%、EU側が約99%撤廃する。

EPAが発効すれば、EU側が日本製乗用車にかける関税(10%)が8年目にゼロになる。日本製の自動車部品は全体の92%の品目で関税がなくなる。日本はEU産のワインにかける関税をゼロにする。欧州産のソフトチーズは低関税の輸入枠をつくり、16年目に関税をなくす。

政府は経済効果について日本の実質GDPを約5兆円押し上げ、雇用増は約29万人分にのぼると試算する。

農林水産分野の8割ほどの品目で輸入関税が撤廃される。関連法案では国内の農産品の輸出振興や生産性向上をはかる。日本とEUは食品のブランド名称である地理的表示(GI)を相互に保護する。日本産の食品や酒の輸出強化につなげる。政府は国内農家の保護のため牛肉・豚肉農家への赤字補填率は現在の8割から9割に引き上げる。

政府は今年の12月30日に発効が決まった環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国の協定「TPP11」と合わせ、日欧EPAを自由貿易を推進する柱に位置づける。米国の自国優先の貿易交渉の手法に対し、多国間の自由貿易の防波堤にしたい考えだ。

年明けから米国との物品貿易協定(TAG)をめぐる本格交渉を控える。TPP11と日欧EPAが発効すれば米国の農家は輸出競争力が下がり、TAGの早期妥結を求める可能性がある。政府は農業の関税下げについてTPPや日欧EPAなどの経済連携協定で認めた水準が最大限と主張している。政府は米側が早期妥結を求めてくれば、日本の主張が受け入れられやすくなると見ている。

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