2019年6月27日(木)

台湾UMC株が急落 米起訴で中国戦略に暗雲
株価対策で自社株買い表明

2018/11/5 18:04 (2018/11/5 20:37更新)
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【台北=伊原健作】台湾株式市場で5日、半導体大手、聯華電子(UMC)の株価が急落した。制限値幅の下限(ストップ安)にあたる前営業日比9.7%安の10.75台湾ドルと、2015年9月末以来約3年1カ月ぶりの安値水準で引けた。米連邦大陪審が産業スパイの罪でUMCと中国企業を起訴した。ハイテク分野の覇権を巡る米中の争いが激化し、台湾企業にとっても中国での半導体事業のリスクが鮮明になっている。

UMCの半導体工場(8月、台湾北部の新竹)

米司法省が11月1日に起訴を発表した。UMCと中国・福建省晋華集成電路(JHICC)が、米半導体大手マイクロン・テクノロジーから製造や設計に関する企業秘密を盗み出したと批判した。UMCは事前に反論の機会がなかったのは「遺憾だ」とし、「あらゆる法律違反の指摘に対し全力で対応する」としている。

UMCはJHICCと提携して中国市場の開拓を目指してきた。ただ米が中国に対する産業スパイとの批判を強めるなか、10月末にJHICCへの技術支援を一時中断すると発表。その直後に起訴を通告され、UMCは連日釈明の声明を出して火消しに追われている。11月5日夜には「会社の信用と株主の権益を守る」として、最大で発行済み株式の2.41%にあたる3億株の自社株買いを実施すると発表した。

マイクロンは17年、UMCが企業秘密を持ち出してJHICCに渡したとして、カリフォルニア州の裁判所に提訴。UMCは18年にマイクロンの特許侵害を提訴し対抗していた。中国・福建省の裁判所は7月にマイクロンの中国での製品販売を差し止める仮命令を出し、米中間の摩擦が激化していた。

UMCは16年に中国・アモイで量産を開始。直径300ミリのシリコンウエハーを使う大型工場を中国に建設するのは台湾勢として初めてだった。UMCの今回の苦境を受け、台湾の半導体業界では中国投資を回避する動きが強まりそうだ。

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