2018年12月11日(火)

幕末の解剖講義録を初公開 長崎・千葉・福井と伝搬

2018/11/5 17:38
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神田外語大付属図書館(千葉市美浜区)で開かれている企画展「洋学貴重資料にみる絵と言葉」で、長崎から千葉を経て、福井に伝わったオランダ語の解剖学講義録を筆写した「朋(ぽんぺ)氏解体書」が初公開されている。同館の所蔵資料を調査した松田清京都大名誉教授(日本洋学史)は「幕末の地方の先進性を示し、近代医学の地方への普及を実証する貴重な資料」と評価している。

「朋氏解体書」(神田外語大付属図書館蔵)=共同

解体書は全5冊で、各巻に勝山藩(福井)の藩校「成器堂」の蔵書印があった。5巻に同藩の医学生、秦朴三郎の号「朴庵(あん)」と思われる「bokan」のサインと、オランダ語で文久3年(1863年)3月1日に写し終わるとの記述があった。

「朋」は57~62年、日本初の組織的な近代医学教育を長崎で行ったオランダ人軍医のポンペ。解体書にはポンペが57年12月27日、出島で原本を書き終えたと記してあった。

ポンペの指導を61~62年に受けたのが、千葉県佐倉市にあった医学塾・佐倉順天堂の後継者、佐藤舜海(しゅんかい)。佐倉順天堂に秦は61~65年、留学しており、この間に解体書を写し、福井に持ち帰ったとみられる。

松田名誉教授は「千葉や福井は学問の先進的な地域で、長崎で講義録が作られてから数年で最新知識を手に入れていたことになる」と話している。〔共同〕

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