2018年11月20日(火)

インドネシア5.17%成長、7~9月期 小幅減速に

東南アジア
2018/11/5 15:12
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【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア中央統計局は5日、7~9月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期比で5.17%増えたと発表した。4~6月期の5.27%よりも小幅ながら鈍化した。個人消費の伸び悩みに加え、2019年4月の大統領選挙を控え、企業は投資を控えている。ジョコ政権の通年目標である5.2%成長を達成できるか、微妙な情勢だ。

インドネシアでは個人消費の成長が停滞している(5日、ジャカルタ中心部で店から荷物を運ぶ消費者)

GDPの5割超を占める個人消費の伸びが鈍化し、成長率を押し下げた。政府の支出や投資は堅調だったが、国内外の民間企業からの投資が落ち込んで成長の足かせとなった。投資調整庁によると、7~9月期の国内外の民間企業からの投資額(実現ベース)は前年同期比で1.6%減少した。特に、海外からの投資が20.2%の大幅減となったことが影響した。

19年4月の大統領選挙では現職のジョコ大統領が優勢で、外資への市場開放や規制緩和の促進など、ジョコ政権1期目の基本的な政策は維持されるとの見方が強い。ただ、企業の間には政権交代による政策変更の可能性も視野に入れ、投資を控える動きが出ている。選挙を意識してジョコ政権の経済政策が保護主義的になっていることも懸念材料だ。

通貨ルピア安の進行も外国企業が投資を控える要因になっている。米連邦準備理事会(FRB)の利上げを受けて、お金の流れが新興国から米国に向かっている。インドネシアでも外国人投資家が国債や株式を売る動きが強まり、ルピア相場は対ドルで年初から約10%下落した。ルピアが下落すれば、円やドルなどの外貨ベースでの収益減につながるため、投資が集まりにくくなっている。

ジョコ政権は当初、18年の成長率の目標を5.4%としていたが、最近では「5.2%程度になる」と説明している。

実業家出身のジョコ氏は14年10月の大統領就任以来、企業家目線で規制緩和や許認可手続きの簡素化を進めて、内外のビジネス界から高く評価されてきた。ビジネスのしやすさを評価する世界銀行の「Doing Business(ドゥーイング・ビジネス)」調査では就任前の120位から17年には72位まで改善した。

ただ、ジョコ政権の経済政策の重点は最近、構造改革よりも、国民が重視する物価安定にシフトしている。18年には軽油向けの補助金を4倍に引き上げた。物価が高騰すれば国民の政権への支持が離れかねないからだ。改革は停滞気味で、世銀の調査でも18年は73位に後退した。構造改革の停滞や後退が一時的なものなのか、インドネシアに投資する企業は政権の動きを注視している。

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