2018年11月15日(木)

米、イラン制裁第2弾を再開 日本などの原油輸入容認

トランプ政権
環境エネ・素材
中東・アフリカ
北米
2018/11/5 11:47
保存
共有
印刷
その他

4日、トランプ米大統領は対イラン制裁は「最強だ」と主張した(ワシントン)=AP

4日、トランプ米大統領は対イラン制裁は「最強だ」と主張した(ワシントン)=AP

【ワシントン=中村亮】トランプ米政権は米東部時間5日午前0時(日本時間同日午後2時)すぎ、イランに対する経済制裁第2弾を再開した。イランの主要産業となる石油や金融部門が制裁対象に加わりイラン経済への打撃は大きい。一方、各国に求めてきた同国産原油の禁輸措置について日本を含む8カ国・地域を一時的に対象外とする方向で調整している。イランに圧力をかけつつ、原油価格の高騰による米経済への悪影響にも目配りする。

ポンペオ国務長官は4日、FOXニュースのインタビューでイラン制裁の目的は「世界最大のテロ支援国家からその能力をなくすことだ」と説明した。米政権はイランが原油輸出で稼いだ外貨を核・ミサイル開発や周辺国のテロ組織支援に回しているとみる。8月7日に鉄鋼や自動車部門を対象に制裁第1弾を発動していた。

5日までにゼロにするように求めていたイラン産原油の輸入に関しては「大幅に削減した国もゼロにするにはもう少し時間がかかる」と指摘。輸入継続を一時的に認める考えを改めて示した。5日に輸入を認める8カ国・地域を発表する予定で、日本やインド、中国、トルコなどが対象となる見込みだ。

日本の石油元売りはイラン制裁の再開に備えて調達を停止していた。適用除外が受けられれば来年3月までの長期契約分などの輸入を再開する見通しだ。米メディアによると、中国の国営石油会社もイラン産原油の調達を減らし始めた。インドは10月中旬、ルピー安による輸入価格の上昇も踏まえ、来年3月まで調達をゼロにすることは難しいとの立場を米側に伝えていた。

トランプ政権は一時的な輸入を認めつつも、制裁はオバマ前政権のころより強力だと訴える。国務省によると、オバマ政権は2012~15年に20カ国に対してイラン産原油の輸入継続を認めていた。トランプ政権は来年には原油市場の需給が緩むとみており、来年5月までにイラン産の輸入をゼロにするよう各国に求めていく。

トランプ大統領も4日、ホワイトハウスで記者団にイラン制裁について「過去に科したどんな制裁と比べても最強だ」と強調した。イランの周辺国のテロ組織支援などを念頭に「イランの状況はあまり好ましくない」と述べ、強硬路線を継続する考えをにじませた。

ただ米議会ではトランプ政権の姿勢が弱腰だとの批判が出ている。共和党のルビオ上院議員はイラン産原油の輸入を中国に認めることを名指しで批判。中国以外の国についても「早期に適用除外をやめるべきだ」と訴えた。同党のクルーズ上院議員も適用除外は「非常に限定的なものにすべきだ」と要求した。

トランプ政権は制裁解除の条件として、全ての核関連施設での国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れや弾道ミサイル開発の停止など12項目を満たすようイランに求めている。欧米など6カ国とイランが15年に結んだイラン核合意に代わる新しい枠組みの構築をめざす。しかし、イランでは米国の強硬姿勢に反米感情が高まっており、新しい枠組みに向けた交渉開始のメドはたっていない。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報