2019年8月19日(月)

日立グループの「名門」に傷 日立化成、不正拡大

2018/11/2 20:36
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化学材料大手、日立化成の検査データ不正問題が広がっている。6月に発覚した産業用鉛蓄電池に加え、成長分野と位置付ける民生用リチウムイオン電池や自動車用樹脂成形品など28品目で新たな不正検査が判明した。経団連会長の中西宏明氏が会長を務める日立製作所のグループ中核企業の不正だけに、グループの企業統治(ガバナンス)体制も問われそうだ。

不正の背景や理由は7月に設置した特別調査委員会の報告後に改めて説明する。報告書は11月下旬に開示する予定。日立化成の丸山寿社長は「製品の品質に対する過信があった。少しぐらい(不正を)やっても大丈夫というようにモラルが失墜していた」と述べた。

これまでに不正が判明したのは、半導体、樹脂、配線板、ディスプレー向けなど累計30品目に達し、日立化成の製品群の「半分以上に広がった」(丸山社長)。顧客の契約と異なる検査をしていたほか、取り決められた検査を怠っていた。検査報告書に実測値と異なる数値を記入するデータ改ざんも見つかった。

顧客には順次、不正を説明し、性能の確認を始めた。現時点では売り上げベースで約7割の顧客で性能の確認を終えたという。丸山社長は「これまで性能上の不具合は出ていない」と品質や安全性への影響は出ていないとの認識を示した。残りの顧客への説明と性能の確認を急ぐという。

不正の通知を受けたある半導体メーカーは「(日立化成から不正の)十分なデータを得られていない」と戸惑う。別の半導体メーカー幹部は「製品出荷の段階で品質検査をしており、工場の生産停止は想定していない」との見方を示した。

不正が判明した製品では研磨剤のCMPスラリーや封止材、接着剤など半導体材料分野で世界シェアトップの製品も含まれている。品質問題に発展する事態になった場合、供給が滞る可能性があり、サプライチェーンの混乱を招きかねない。

日立化成の2018年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前年同期比7%増の3435億円、純利益が2%減の164億円だった。

日立化成は日立金属、日立電線(現在は日立金属と統合)と並び「御三家」と称され、グループの中核を担った。日立製作所の川村隆元社長(現東京電力ホールディングス会長)も16年まで日立化成会長を務めていた。

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