2018年11月19日(月)

消費増税で介護職員の処遇改善 看護職員は対象外?

ヘルスケア
科学&新技術
BP速報
2018/11/2 13:46
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日経メディカル Online

社会保障審議会・介護給付費分科会が2018年10月31日に開かれ、19年10月の消費税率の10%への引き上げに伴い、それを財源に実施する介護職員などの「さらなる処遇改善」が議論された。この「さらなる処遇改善」は、介護職員だけでなく、介護事業所に勤務する看護職員や理学療法士(PT)などにも配分可能な新しい加算として、現在の介護職員処遇改善加算とは別に設けるもので、その基本的な考え方などが示された。

新加算では、現行の介護職員処遇改善加算のように、一定のキャリアパスや研修体制、これらの取り組みの「見える化」を算定要件として設ける方針。要件を満たせば、訪問介護や訪問入浴介護など、サービス種別で設定された加算率を収入に乗じた新加算が取得できる仕組みになりそうだ。

「さらなる処遇改善」の基本的な考え方(出典:18年10月31日 第163回社会保障審議会介護給付費分科会資料)

「さらなる処遇改善」の基本的な考え方(出典:18年10月31日 第163回社会保障審議会介護給付費分科会資料)

新加算の加算率については、介護福祉士など経験・技能のある介護職員が多いサービスを評価する方向性が示された。同一法人に10年以上勤務する介護福祉士が多い介護老人保健施設(老健)、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム、特養)などの介護保険施設が優遇される施策といえる。

さらに新加算は、事業所内で(1)「経験・技能のある介護職員」、(2)「ほかの介護職員」、(3)「その他の職種」に対して配分できるようにする考え。なお制度の趣旨が介護職員の処遇改善にあることから(1)~(3)の順に一定の傾斜を付けて配分する仕組みとしてはどうか、などの案が提示された。加算の配分は事業所の判断に任されるとはいえ、(3)のその他の職種だけ配分し、(1)や(2)の介護職員には配分しない、といった運用は認められないことを意味する。

■要件は「一定程度、柔軟な運用」可能に

その際、「経験・技能のある職員」の定義については、これまで示されてきた「勤続年数10年以上の介護福祉士」を基本としつつ、「一定程度、柔軟に運用できるようにしてはどうか」とした。つまり、「同一法人で10年以上勤続した介護福祉士でなければ新加算がもらえない」といった厳格な運用にはならず、ある程度、柔軟な運用が可能になる見込みだ。

現段階で微妙な立場なのが、訪問看護ステーションの看護職員や居宅介護支援事業所のケアマネジャーの取り扱い。同分科会の議論の流れでは、新加算は介護職員の処遇改善を出発点とする観点から、介護職員の配置がない両サービスは、新加算の対象外とする可能性も示されているからだ。

ただし、その場合は看護職員が勤務している特養や老健施設のほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や看護小規模多機能型居宅介護など、訪問看護を一体的に運営しているサービスは新加算の対象となる可能性が高いことから、看護職員やケアマネジャーがどの事業所に勤務しているかで新加算の配分対象となるかが異なるという整合性の問題が出てくる。

(日経ヘルスケア 永井学)

[日経メディカル Online 2018年11月1日掲載]

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