混載トラック運賃上昇 東京―大阪間7%高

2018/11/2 12:28
保存
共有
印刷
その他

企業間物流で使う混載トラックの運賃が上昇している。東京―大阪間は前年比7%値上がりした。運転手不足による人件費上昇、下請け会社への委託費アップが主な要因だ。燃料費も上がり、運送会社のコスト負担は増加傾向が続いている。年末の繁忙期を控え、運送各社が年初から求めている転嫁値上げを受け入れる荷主は増えてきた。

繁忙期や災害時のトラック不足は年々深刻になっている

繁忙期や災害時のトラック不足は年々深刻になっている

トラック輸送は特定の荷主が1台全てのスペースを使う貸し切りサービス(チャーター)と、複数の荷主の貨物を集めて方面別に仕分けしてまとめて運ぶ特別積み合わせ貨物(特積み)がある。

チャーターは中小事業者も参入しやすいが、特積みはターミナルなどの設備や長距離の定期運行のための人員や一定数のトラックが必要。西濃運輸や福山通運といった大手業者の輸送比率が高い。

特積みの主要路線である東京―大阪間の運賃は100キログラムあたり2400~2950円程度。春先に比べ3%上昇した。前年同時期と比べると7%高い。

原油高で燃料の軽油価格は前年に比べ2割上がっている。人手不足を背景に運輸各社は運転手を確保するため賃金を引き上げ、人件費も増えている。運転手不足が深刻な中小の下請け業者への委託費用もかさむ。

西濃運輸は600キロ超の長距離便で3割の値上げを打ち出すなど、低採算の貨物を中心に運賃の引き上げを進めている。「数年後までの人件費や委託費、燃料費の上昇幅を予測して利益が出せる水準を目標にしている」。同社の小森紳司専務はこう説明する。

福山通運は1月に運賃交渉の専門部署を新設した。条件が曖昧だった契約の見直しと値上げを要請している。荷物の大きさや重量、距離などの基準を明確化した運賃制度への切り替えを求め、10月下旬時点で75%の荷主と合意した。

「以前は荷主ごとに運賃体系が違っていた。運賃を『見える化』すれば極端な安値契約はなくなるだろう」。同社の小丸成洋社長は話す。

トラックの供給過剰で荷主の発言力が強く「昭和の時代から数十年間、運賃改定ができない荷主もいた」(大手運送業者)。こうした状況は徐々に変わりつつある。輸送各社は契約打ち切りも辞さない姿勢で値上げ交渉を進めている。

荷主は原料や製品のサプライチェーンを維持するため、一定の値上げには理解を示している。「今は値上げ幅をどれだけ圧縮できるかが焦点。他の運送会社への切り替えを簡単に言える時代ではない」(荷主の大手メーカー)との声も目立つ。

日通総合研究所(東京・港)の荷主企業への調査によると、回答した614社のうち10~12月に特積み運賃の上昇を見込む荷主は38%に達した。下落見込みは2%にとどまった。

経営状態の苦しい下請け業者からの委託費引き上げ要請は続いており、「地方の集配担当業者が廃業するケースも出ている。一定の値上げは受け入れざるを得ない」(大手運送業者)。運賃転嫁の動きは今後も続きそうだ。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]