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協業と競争でサービス深化 KDDI、楽天と提携

KDDI(au)と楽天が提携した。決済などのサービスを加速したいKDDIと、携帯電話事業を垂直立ち上げしたい楽天の思惑が一致したためだ。世界の通信業界では、通信やサービス、映画などのコンテンツ企業まで入り乱れた合従連衡が活発になっているが、携帯料金の値下げ圧力も強い。サービス強化に向けた合従連衡と競争活性化のバランスが重要になる。

楽天との業務提携を発表するKDDIの高橋誠社長(1日午後、東京都千代田区)

KDDIの高橋誠社長は1日の記者会見で「楽天が持つ120万店の決済加盟店に興味を持った。協調しながら競争する新しい形だ」と楽天と提携に至った理由を話した。楽天にKDDIの通信設備をローミング(相互乗り入れ)で貸し出す代わりに、楽天が持つ決済や物流インフラを借りる。

ライバルに手を貸すことになるが、KDDIは楽天と手を結んだ。KDDIの高橋社長は「我々が楽天と組まなければNTTドコモと組むだろう。そうなるよりは自ら組んだ方がメリットが大きい」と語った。金融・決済や物流などで先行する楽天の資産がKDDIには魅力的に映る。

成長の余地が少なくなった携帯電話事業に代わって、携帯大手は金融・決済など非通信分野の拡充を急ぐ。KDDIはスマホ決済のサービスの垂直立ち上げのパートナーとして楽天を選んだ。

19年秋に携帯電話サービスを開始する楽天にとっても、全国エリアでサービスを展開するためには携帯大手の通信設備のローミングが不可欠だった。参入に向けて時間を買った格好だ。

世界に目を向けても、米通信大手のAT&Tが米メディア大手タイムワーナーを買収するなど、通信とサービスを融合した合従連衡が活発になっている。先進国では携帯電話の普及が頭打ちになっており、通信事業だけでは成長が見込めない時代に入りつつある。

KDDIは営業利益の約8割を携帯など国内通信に依存しており、NTTドコモと比べて契約者の流動性も高い。1日の東京株式市場では通信株が大幅安となり、なかでもKDDIは前日比16%安となった。NTTドコモが19年度から携帯料金を2~4割引き下げると表明した影響で、KDDIも値下げを余儀なくされると捉えられたからだ。

隠れた焦点は携帯料金引き下げの行方だ。楽天の参入によって携帯電話事業者の「第四極」が生まれ、競争が促進される効果を国も期待していた。KDDIの高橋社長は楽天との関係について「通信の部分では戦う」と語った。協調と競争が同時並行で進む構図だとしている。

歴史をひもとくと、ソフトバンクは通信事業への参入直後は価格やサービスの多様化を急速に進め、通信事業の活性化に貢献した。しかし時がたつにつれて3社による寡占状態が進み、料金競争も停滞した。

KDDIや楽天が主張するように協調と競争が活発に進むかが通信産業にとっても消費者にとっても焦点になりそうだ。

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