伊中銀総裁、政府に健全な財政運営要求 家計や企業に悪影響

2018/11/1 17:43
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【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリア中央銀行のビスコ総裁は10月31日、同国の長期金利について「このまま高止まりが続けば家計や企業に深刻な悪影響を及ぼす」と警告した。投資家は予算案を巡ってEU(欧州連合)と対立するイタリアのユーロ圏離脱を懸念しているとし、政府に健全な財政運営を求めた。

イタリア中銀のビスコ総裁は伊政府に健全な財政運営を求めた(31日、ローマ)=ロイター

ローマで講演したビスコ氏は、利回りが低下しないと借り入れコストが増加し、「2019年に約50億ユーロ(約6400億円)の負担が生じる」と分析。貯蓄の価値の低下による家計や、企業業績の圧迫に強い懸念を表明した。

財政不安を背景に、長期金利の指標であるイタリアの10年物国債利回りは上昇(価格は下落)してきた。10月上旬には一時3.7%台と約4年8カ月ぶりの高水準まで切り上がった。現在は3.3%台で推移している。

イタリアの政府債務残高の国内総生産(GDP)比は130%を超え、EUが求める60%を大きく上回る。伊政府が策定した19年の予算案はバラマキ型の政策が並び、さらに債務が増える見通し。ビスコ氏は「債務は維持可能だが、そのためには明確な決意が必要」とくぎを刺した。健全な財政運営を実行し、イタリアのユーロ圏離脱などの懸念を払拭する必要性を訴えた。

イタリアの景気減速については企業の生産性の低さが原因と分析した。18年の経済成長率を1.0%と政府予想(1.2%)を下回ると予測し、19年はさらに減速する可能性を指摘した。

伊政府は減税や社会福祉を拡充し、歳出拡大で景気が浮揚するシナリオを描く。欧州委員会は財政規律に違反するとし、予算案の修正を求めているが、伊政府は応じない姿勢を示している。

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