ネット裏から

フォローする

いいチームにいい番頭 阪神・清水ヘッドの役割は
スポーツライター 浜田昭八

(1/2ページ)
2018/11/4 6:30
保存
共有
印刷
その他

その昔、繁盛している大店(おおだな)には、いい番頭さんがいるといわれた。店の規模が大きくなると、取引の範囲が広がり、使用人も増える。主人の才覚だけでは経営できない。そこで、経験豊富な番頭が主人を補佐して実務を取り仕切り、使用人を束ねる。

内容は少し違うが、プロ野球でも堅実にペナントレースを運ぶチームには、監督を補佐する番頭さんのような人物が存在する。「ヘッドコーチ」である。役職名は「チーフコーチ」「作戦コーチ」などとさまざまだが、大局的に指揮をとる監督を補佐し、試合進行の実務を担当する点に変わりはない。

監督の得意でない分野を補完

過去に有名だったヘッドコーチに、川上哲治V9巨人時代の牧野茂がいた。打撃の神様・川上があまり得意としない機動力を生かした攻撃や防御面を補い、大きな功績を残した。西武全盛時の広岡達朗監督―森祗晶ヘッドも名コンビだった。このコンビを見習って、阪神・吉田義男が元大洋監督の土井淳をヘッドに迎えたほどだった。ただ、本家の西武組は残念なことに"仲間割れ"の格好で別れてしまった。

このほか、中日、阪神での星野仙一―島野育夫、近鉄での西本幸雄―仰木彬も、監督の不得手部門をヘッドが補完する、いい組み合わせだった。西本―仰木の場合は、当人たちが意識したかどうかは別にして、"監督見習い"を在任中に実行していたのではないか。似たケースが現在のヤクルト・小川淳司―宮本慎也の間柄ではなかろうか。

経験豊富な中日の伊東ヘッドコーチ(左)らが与田監督(中)を支える=共同

経験豊富な中日の伊東ヘッドコーチ(左)らが与田監督(中)を支える=共同

来季に臨む首脳陣で注目されるのは、中日・与田剛、阪神・矢野燿大の両新人監督を補佐する番頭さんだ。与田を支えるのは西武、ロッテの監督だった伊東勤。この人は、監督初体験の与田に監督術を伝授する"教育係"の色彩が濃い。強い西武と弱いロッテで指揮した伊東の経験が生かされるのではないか。

極めて興味深いのは、矢野を補佐する清水雅治の球歴と人物像だ。1989年から中日、西武で7年ずつ、計14年の現役生活を過ごした。内野手でスタートしたが、すぐ外野へコンバートされた。中日時代には立浪和義、山崎武司らの堅城を抜けず、西武でも厚い選手層に阻まれてレギュラーになれなかった。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

ドラフト会議

電子版トップスポーツトップ

ネット裏から 一覧

フォローする
阪神・鳥谷は今季、代打要員に甘んじてきた=共同共同

 どんな優れたアスリートでも、現役引退は避けられない。競技に対する知識、愛着はあふれるほどにあっても、加齢とともに体力が衰える。トップレベルの技術を維持するための練習がままならぬ状態になって、引退が脳 …続き (9/15)

今年のフレッシュオールスター戦の試合前、ポーズをとる(左から)ロッテ・藤原、日本ハム・吉田輝、中日・根尾、広島・小園。昨夏の甲子園をわかせ、プロに進んだ球児たちだ=共同共同

 昨夏の高校野球甲子園大会の決勝戦で、大阪桐蔭(北大阪)は13―2で金足農(秋田)を下して優勝した。準決勝戦までの全5試合で完投した金足農のエース吉田輝星は消耗著しく、決勝戦では5イニングで12点を失 …続き (8/11)

交換トレードで日本ハムから巨人に入団し、記者会見でポーズをとる藤岡(左)と鍵谷=共同共同

 きれいに言うと「七夕補強」。その実はチーム編成の見込み違いを手直しする、締め切り間際の「駆け込み補強」。ストーブリーグならぬ、クーラーリーグといえるただ今、進行している緊急補強のことだ。
 プロ野球の …続き (7/7)

ハイライト・スポーツ

[PR]