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ドコモ値下げ、端末・通信料分離 利用者に分かりやすく

NTTドコモが携帯サービスの値下げを発表した。2019年春にも2~4割安い新プランを発表する。携帯電話は生活に欠かせない存在となったが、料金の高さやプランの分かりにくさへの批判が強まっている。ドコモは値下げと並行し、端末料金と通信料金を完全に分離しプランを明瞭にすることも検討する。一時的に経営への打撃となるが、分かりやすいサービスで利用者をつなぎ留める。

「料金が複雑で分かりにくいという声がたくさんあった。シンプルに見直し、料金も2~4割安くしたい」。ドコモの吉沢和弘社長は31日、都内で記者会見し、料金の高さと複雑さを本格的に見直す姿勢を強調した。

今後、プランの詳細を詰めた上で19年4~6月期に発表する。現段階で検討しているのは、スマートフォン(スマホ)などの携帯端末代を割引しない代わりに、通信料金を安くする新しいタイプの「分離プラン」だ。

ドコモはすでに一部機種を対象に分離プランを提供しているが、ドコモが指定した端末を買う必要があった。来春以降、利用者が自ら選んだSIMフリーの端末や中古スマホと、割安な通信プランを組み合わせられる新プランを検討する。

例えば米アップルの「iPhoneXS」をドコモで買った場合、現在は端末と通信料金の2年間の総額が20万円を超えるケースが多い。新プランの詳細は未定ながら、中古スマホと割安な通信プランを組み合わせれば十数万円に抑えられる可能性がある。利用者にとっては選択肢が増える。

一方で分離プランは端末の割引をしないため、新モデルなどを買う場合、端末価格が高くなるデメリットがある。ただ吉沢社長は「(従来の端末割引分を)上回る値下げに踏み込む」と強調。顧客への還元額として明示した年間最大4千億円を原資に、幅広い利用者の負担を軽減する意向だ。

「携帯電話の料金は4割程度下げる余地がある」。菅義偉官房長官は繰り返し料金の高さを批判してきた。世論の逆風が高まるなか、ドコモは一つの答えを出した形だ。ただ、大幅値下げは経営への打撃も大きい。

同社は値下げによる減益が当面続き、18年度の営業利益水準に回復するには5年かかるとの見通しを示した。吉沢社長はポイントサービスや次世代通信規格「5G」など「新分野に完全にかじを切りたい」と述べた。

ドコモは同日、上限6000億円の自社株取得枠を設定することも発表した。利益成長が見込みづらいなか、株主還元により株価を支える狙いもありそうだ。

携帯料金を巡っては、公正取引委員会が7月、米アップルと携帯大手3社との間で結ばれた「iPhoneアグリーメント」と呼ばれる契約が、独占禁止法に抵触する恐れがあったと公表した。

アップルが携帯大手3社に対して端末代を割り引くように義務づける内容で、携帯大手の事業を拘束する点を公取委は問題視した。アップルはこうした契約を修正。これに伴い大手3社はiPhoneを分離プランで扱うなど消費者の選択肢は徐々に広がりつつある。

日本の携帯電話市場は、高機能な端末を通信料金とセットで割り引いて売ることで成長してきた。ただ料金プランの複雑化など負の側面も目立つなか、ドコモの方針転換は市場全体の転機となる可能性がある。

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