2019年7月18日(木)

ドコモ、脱・携帯依存へ布石 2~4割値下げへ 会員基盤を優先

2018/10/31 19:04
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NTTドコモは31日、携帯電話料金を2019年度に2~4割程度値下げすると発表した。料金を巡るユーザーの不満解消のほか、ポイントを軸とした会員基盤の強化を狙う。国内通信への依存から脱し、決済サービスなど「非通信」事業を成長エンジンに据える。値下げの影響で19年度以降は大幅な減益を見込むが、23年度には現状の水準まで回復する見通しだ。

料金の引き下げを発表するNTTドコモの吉沢和弘社長(31日午後、東京・大手町)

19年度4~6月期に新たな料金プランを投入する。具体的な料金水準など詳細については今後詰めるとしたが、スマートフォン(スマホ)など端末の代金と月々の通信代を分離したプランを軸に検討する。

現在のドコモの料金プランはスマホの代金を月々の通信料金から値引く形式が主流だ。一体で提供することでスマホ代の「実質値引き」などとうたっているが、結果的に料金体系が複雑になり、総支払い額が分かりづらいとの声が多かった。

ドコモが約6600人に行った調査によると、ドコモの料金プランについて「分かりにくい」と感じる人が約5割にのぼった。新料金プランではスマホ代と通信代を分けることで、消費者から見た分かりやすさを追求するという。

菅義偉官房長官が8月、国内の携帯料金について「他の国と比べて高すぎる。4割程度値下げする余地がある」と述べたこともあり、料金に対する国民の視線は厳しくなっている。今回の値下げは他社から新たな顧客を獲得するというより、既存のユーザーをつなぎとめる「守り」の意味が大きい。

19年秋には楽天が新たに携帯電話事業者として市場に参入する。ドコモの吉沢和弘社長は同日の決算記者会見で「(楽天に)先んじて競争力を強化する」と述べた。

ドコモの営業利益は携帯や固定通信など国内通信が8割超を占める。人口減などで国内市場に大きな伸びが期待できないなか、今後は「非通信」に成長の軸足を移す。

カギを握るのが、ドコモの回線契約がなくても利用できる同社の共通ポイントサービス「dポイント」の会員の拡大だ。QRコード決済など同社の決済やポイントサービスを使える店舗を21年度までに現在の2倍強の200万店に増やし、会員数を現在の6700万件から7800万件にすることを目指す。

高速の次世代通信方式「5G」に向けた投資も加速する。インフラ構築のため、19年度~23年度までの5カ年で1兆円を投資する。スタジアムでのVR(仮想現実)観戦など個人向けサービスのほか、遠隔医療や自動運転など新たな産業のインフラになると見込む。

5Gを使った商用サービスは20年春に始める計画だ。「お客様に還元する分を、非通信や5Gのサービスで埋めていく」(吉沢社長)

8月に菅官房長官が携帯料金の値下げについて発言し、総務省も料金引き下げに向けた議論を進めている。吉沢社長は今回の値下げ方針について「ドコモが自主的にやった」とするが、政府の値下げ要請に対する1つの回答であることは間違いない。

ドコモは料金のシンプル化などに合わせ、店頭での手続き時間を19年度中にこれまでの半分の約1時間にするとした。不満の種が料金の高さだけではないなか、ユーザーの総合的な「満足感」をどこまで高められるかが焦点になる。(河野真央)

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