2019年6月19日(水)

自民税調「インナー」始動 消費税増税、官邸と連携

2018/10/31 21:00
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自民党税制調査会は31日、党本部で「インナー」と呼ぶ幹部の非公式会合を開き、2019年度税制改正の議論を始めた。政権の最重要政策である消費税増税への対応に万全を期すため、役所や業界団体と調整を進める。税調幹部は宮沢洋一会長をはじめ首相官邸とパイプのある議員がそろう。かつて「聖域」と呼ばれた税調も近年は官邸との連携を重視する傾向にある。

自民党税調の非公式会合を終え、報道陣の質問に答える宮沢洋一会長(31日午後、党本部)

自民党税調の非公式会合を終え、報道陣の質問に答える宮沢洋一会長(31日午後、党本部)

インナー会合では12月12日の与党税制改正大綱の取りまとめをめざし、税制改正の主要テーマと今後の日程を示し合わせた。宮沢氏は終了後、記者団に「消費税増税と軽減税率が導入される環境をどう整備するかが大変大事だ。需要の平準化や自動車、住宅に関する検討も必要になる」と述べた。

自民党税調は党政務調査会の機関の一つ。1959年に発足した歴史のある組織だ。与党税制改正大綱をもとに政府が税制改正法案を決めるため税制に強い権限を持つ。

党税調の中心となるのがインナーだ。会長、最高顧問、小委員長ら限られた幹部を指す。財務省OBや閣僚経験者など税に精通する9人で構成し、現役の閣僚はメンバーに入れないのが通例だ。今年は林芳正前文部科学相が復帰した。宮沢会長、野田毅最高顧問、額賀福志郎小委員長、林小委員長代理の4人は「コアインナー」とも呼ばれる。

今年の議論の軸は来年10月の消費税率10%への引き上げに関する対応だ。消費税増税は官邸との密な調整が欠かせない。インナーメンバーには昨年に引き続き安倍晋三首相の出身派閥会長の細田博之氏、首相に近い甘利明氏、塩崎恭久氏、石原伸晃氏がいる。議論が本格化すると官邸との太いパイプが重要になる。

14年4月に税率を5%から8%に引き上げた際は消費の落ち込みで景気に大きな影響を与えた。首相は駆け込み需要と反動減を抑える対策を重視しており「大型耐久消費財は来年10月1日以降の購入にメリットが出るように税制・予算措置を講じる」と繰り返し述べている。焦点の一つが自動車や住宅を巡る税制だ。

自動車関係の税は業界団体や経済産業省が消費増税対策として取得時の税をゼロにすることを求めている。海外に比べ高いとされる保有に関する税の軽減も要望している。車に関する税は地方の有力な財源になっており、総務省や自治体は減税に慎重だ。

車の税制議論は党自動車議連会長の額賀氏が取り仕切る。経産相の経験がある甘利氏や地方税を担当する塩崎氏の意向も重要だ。宮沢氏は「自動車は最後までもめる」と話しており、年末に向けて激しい攻防が予想される。

東京など大都市に集中する法人税を地方自治体に再配分する「偏在是正」の強化も主要テーマになる。税収が減る東京都の選出議員から反発が強く、党都連会長を務めた石原氏の調整力が問われる。元自治相の野田氏も総務省と関係が深く、議論の中心になりそうだ。

11月21日には党税調の所属議員が出席する総会を開き、本格的な議論を始める。その後は自動車税、地方税などのテーマごとにインナー会合、正副会長会議、小委員会を繰り返して、所属議員の意見を聞きながら結論をまとめる予定だ。

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