2018年12月11日(火)

三菱重、三菱航空機に2200億円支援 債務超過解消へ

自動車・機械
2018/10/31 18:50
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三菱重工業は31日、民間ジェット機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発子会社、三菱航空機に対し、単独で2200億円の金融支援をすると発表した。1100億円の債務超過の状態にある三菱航空機は18年12月末までに債務超過を解消する。2020年半ばの初号機の納期を確実にする狙いだが、これ以上の投資回収の遅れは許されず、背水の金融支援になる。

三菱航空機は2018年末までに債務超過を解消し、MRJの開発・販売サポート体制を強化する

三菱航空機は2018年末までに債務超過を解消し、MRJの開発・販売サポート体制を強化する

三菱重工は三菱航空機が新たに発行する1700億円の株式を単独で引き受ける。さらに、三菱航空機に貸し付けている融資債権の一部である500億円の債権を放棄する。三菱航空機に出資するトヨタ自動車三菱商事などの既存株主は増資計画には参加しない。

三菱航空機の増資後の資本金は2700億円(資本準備金を含む)となり、債務超過は解消する。出資比率は三菱重工は従来の64%から86.7%に大幅に高まる。一方、既存株主の合計は36%から13.3%まで下がる。三菱重工は経営への関与をより強め、経営の機動力を高める。

三菱航空機は08年に発足し、13年後半にMRJの初号機をANAホールディングスに納入する予定だった。ただ、度重なる設計変更などで開発が遅れ、納期をこれまでに5回延期し、三菱航空機の累積損失は18年3月末に2100億円の赤字に達し、債務超過額は1100億円に膨らんでいた。

記者会見した三菱重工の宮永俊一社長は「(座席数が90席級の)MRJ90の開発とその量産までに必要な体制をつくり上げた」と述べた。MRJの事業化に向けた道筋について「一定のメドがついた」との認識を示した。

ただ、カナダの小型旅客機メーカー大手、ボンバルディアが型式証明に関する機密情報の流用疑惑で三菱航空機を訴えるなど、型式証明手続きの遅れが懸念されている。宮永氏は「根拠がないと主張する三菱航空機の立場を支援する」と全面的に争う意向を示した。

米ボーイングはブラジルの小型旅客機メーカー、エンブラエルの民間旅客機事業を38億ドル(4300億円)で事実上傘下に収める予定。MRJの開発費は6000億円を超え、20年までにさらに2000億円の追加負担を見込む。これ以上の開発費の拡大と投資回収遅れは三菱重工の株主の理解を得られない。今回の金融支援で計画通りにMRJを事業化することは必達目標となる。

同日発表した18年4~9月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高が2%増の1兆8720億円、最終損益は254億円の黒字(前年同期は29億円の赤字)だった。19年4月に本格始動する新たな組織体制も発表した。グループ本社を新たに発足し、財務や税務、人材などの機能を一本化しつつ、全体最適の視点で経営資源を機動的に配分する体制にする。

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