2018年11月13日(火)

第一三共、20年度売上高目標1400億円下げ

ヘルスケア
2018/10/31 15:07
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第一三共は31日、2021年3月期を最終年度とする現行の中期経営計画について数値目標を見直すと発表した。従来は売上高を1兆1000億円、営業利益を1650億円としていたが、それぞれ9600億円、800億円に引き下げる。米国の疼痛(とうつう)薬事業が苦戦しているほか、国内の薬価引き下げも影響が大きい。

記者会見する第一三共の斎寿明副社長(31日、東証)

31日に発表した18年4~9月期決算と同時に明らかにした。当初目標については売上高、営業利益とも2年遅れで23年3月期に達成するとした。第一三共の斎寿明副社長は31日の記者会見で「当初約束した数字が未達となることは大変重く受け止めている」と話した。

第一三共は17年3月期から5カ年の中計を実行中。経営課題の第一に「パテントクリフ(特許の崖)の克服」を掲げ、ピークに年間約2000億円を売り上げた高脂血症薬「メバロチン」や同3000億円を稼いだ降圧剤「オルメサルタン」の特許切れに伴う収益減を補うことを狙った。

売上高については21年3月期に16年3月期比11%増の1兆1000億円を目指していた。抗凝固剤「エドキサバン」で既存薬からの切り替えを進めるなどして1200億円を、米国の疼痛事業で1000億円を売り上げるなどとしていた。ただ米疼痛事業は治療薬の臨床試験(治験)に失敗するなどして、18年3月期の同事業の売上高は52億円にとどまった。

国内では薬価引き下げが響く。18年4月の薬価改定幅は全体でマイナス7.48%と、ここ数回の5%程度に比べて大きく下がった。第一三共の18年4~9月期の国内売上高は、従来の薬価だった場合と比べ240億円減少した。

一方で中計で成長戦略の中心に据えた抗がん剤は先行きに明るさが見えてきた。中でも抗体と薬物を組み合わせてがんを狙い撃ちする「抗体薬物複合体(ADC)」は期待が大きい。

ADCの「トラスツズマブ・デルクステカン(開発名DS―8201)」は当初20年度までの承認申請を目指していたが、良好な治験結果を受けて19年度への前倒しも検討する。「オプジーボ」などのがん免疫薬と併用して治療効果を高める方法も開発する。ピーク売上高は数千億円に達するとの見方もある。

このほか10月に国内で製造販売承認を申請した「キザルチニブ」など、25年度までにがん領域で計7つの新薬投入を目指す。斎副社長は「がん領域(の成功)に対する確信は非常に高まっている。利益を確保するより、抗がん剤の市場投入に向けた研究開発を優先する」と強調した。

(秦野貫)

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