2018年11月17日(土)

東急、EVや循環バスで「生活の足」多様に 横浜で実験

サービス・食品
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南関東・静岡
2018/10/31 14:11
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東京急行電鉄は31日、横浜・たまプラーザ地区で沿線宅地の交通利便性を高める実証実験を2019年1月から始めると発表した。住宅地をきめ細かく走る循環バスや超小型電気自動車(EV)で起伏に富む宅地での移動を支援、高齢者らを念頭に日々の「生活の足」を確保する。

たまプラーザから渋谷に直行する高速バス

車内ではWi―Fiも整備、早朝から仕事がはかどる

一方で、早朝の混雑する電車に乗ることなく渋谷に直行する高速バスも投入する。Wi―Fiを整えて、通勤時の会社員らが仕事しやすい環境を売り物にする。老若男女を問わず生活や仕事の実態に合わせたきめ細かな交通サービスを提供することで街の魅力を高めることを狙う。

実験は横浜市北部に位置する美しが丘地区。田園都市線たまプラーザ駅が最寄り駅で、東急の代表的な住宅地だ。今回はこの約6千強の世帯を対象にモニター限定で実験する。バスやカーシェアリングサービスなど4種類の移動手段を試し、利用状況などをみる。

バスは主に宅地内の公民館や福祉施設、病院などを巡回する。利用者は乗車時間をスマートフォンで予約すれば、東急が指定したバス停にワゴン車がやって来る。既存バスとの違いは、利用者がいないバス停には立ち寄らないため乗車時間を短くできることだ。

自宅までの「ラストワンマイル」の移動手段として、超小型EVの利用を提案する。美しが丘には細く入り込む車道「クルドサック」があり、普通乗用車が入りづらい。実験ではホンダの2人乗り「MC―β(ベータ)」の利用を提案する。

坂道が多い美しが丘地区は60年ほど前に開発され、高齢化率は20%に上がった。実験を担当する事業開発室の森田創課長は「高齢化などにより移動ニーズの多様化が進んでいる」と指摘。実態に合った移動手段を提供することで、宅地の住みやすさを高める狙いだ。

一方、都心への通勤者向けとして、たまプラーザ駅を朝7時に出発するバスを投入する。24席のバスにはトイレもある。たまプラーザ駅は田園都市線の中でも早朝時間帯に特に混雑する駅として知られる。バスはたまプラーザ―渋谷の通勤定期を持つ人が利用できる。いずれの実験も結果を踏まえ、他の地域へと広げる方針。複数の交通機関を定額で利用できる仕組みも目指す。

東急はITを積極活用して交通機関の使い勝手を高める戦略を進めている。乗客の移動パターンも習得していくことで、新たなビジネスの創出にもつなげる考えだ。

東急以外では、JR東日本が横浜市で巡回型バスの実証実験中。小田急電鉄は自動運転を想定したバスの実験を始めた。京浜急行電鉄も郊外地の移動手段の改善に向けて動き始めるなど活発になってきた。(岩本圭剛)

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