2019年3月23日(土)

システム統合万全に 十八銀と親和銀、改元控え合併延期

2018/10/30 21:05
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基本合意から2年8カ月に及んだ再編劇がついに決着した。ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と十八銀行は30日、経営統合で最終合意したと発表した。システム関連の負担軽減から、2020年4月を予定していた十八銀と親和銀行の合併は半年間延期する。合併に向けた作業がいよいよ動き出し、今後はいかに統合効果を引き出すかに焦点が移る。

19年1月に開く十八銀の臨時株主総会を経て同年4月に経営統合する。

「システムの安全性は銀行の決済機能そのもの。統合は力仕事で、期間を要するものだ」。30日、福岡市で開いた記者会見で、ふくおかFGの吉戒孝副社長は合併延期の理由をこう説明した。

システム移行には、正月の三が日や5月の大型連休を当てるのが一般的だ。合併と同時のシステム統合も「検討の対象になった」(吉戒氏)が、来年の改元対応などで関連部署の負荷が高まると懸念。21年1月をシステムを統合期日とした。

02年のみずほ銀行や18年のきらぼし銀行など、システム障害は合併の直後に起こることが多い。障害発生を防ぐには、21年1月の移行が「最短の期日」という。

一方、合併後も旧行のシステムが併存する状況が続くと、旧十八銀の顧客が旧親和銀のATMで一部の取引ができなくなるといった不自由を長期間、顧客に強いることになる。合併の延期でこうした期間を極力短くし、利便性の維持を図る。

ふくおかFGと十八銀が経営統合で基本合意したのは、16年2月にさかのぼる。その後、長崎県での中小企業向け融資のシェアが7割に上ることなどを公正取引委員会が問題視。企業結合審査は長期化し、銀行側が提示した1000億円弱の債権移管などを条件に、公取委が統合計画を承認したのは今年8月のことだ。基本合意から2年8カ月を費やした統合計画は最終合意でついに決着し、視線は統合後に移る。

この日、11月から始める人事交流の内容も明らかにした。ふくおかFGから十八銀に出向する牛島智之経営企画部長は、かつて親和銀との統合作業にも携わった「四番バッター」(吉戒氏)。統合作業を加速し、早期に統合の果実を摘み取りたい両行の思惑が透ける。

金融庁や公取委など、政府をも巻き込んだ再編劇は終焉を迎え、今後は行内融和や地域振興など、地元をいかに深耕するかが焦点になる。「ようやく第2フェーズが動き出す」(吉戒氏)。「やっとスタートラインに立てた」(十八銀の福富卓代表執行役専務)。統合を主導した幹部たちは口々に語った。

「店舗統合でシナジー」「地元が心配、ほっと」

3社の役員による記者会見での主なやり取りは以下の通り。

――最終合意に至った感想は。

ふくおかFGの吉戒孝副社長「ようやく第2フェーズが動き出す。統合に向けた前向きな動きが始まることをうれしく思っている」

十八銀行の福富卓代表執行役専務「合意が長引くなかで地元長崎のお客さんが非常に心配した。やっとスタートラインに立てたことにほっとしているが、期待に沿えるようしっかり使命を果たす所存だ」

――合併が半年遅れます。

吉戒副社長「合併が遅れることでお客様に不利益が生じることはない。最大のシナジー効果は店舗の統廃合でもたらされる。システム統合が不可欠だ」

福富専務「シナジー効果は早めに出していきたい。一緒に営業・提案することもできるし、長崎のお客さんに福岡での販路拡大を紹介することも考えられる」

――2019年4月の経営統合は予定通り実施されますか。

吉戒副社長「統合を新年度4月に間に合わせることは問題ない」

――人事交流に期待することは。

吉戒副社長「ふくおかFGの経営スタイルを十八銀と共有する。ふくおかFGでは19年4月に始まる次期中期経営計画を策定中だ。相互の人材交流を通じて、統合後の姿を描くことがまず取りかかる仕事になる」

――統合比率への感想は。

福富専務「(十八銀の)企業価値は十分評価していただいた。お互いに納得できる最終合意が得られた」

(三島大地、今堀祥和)

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