ソニー、スマホ事業3年連続赤字へ 問われる存続意義

2018/10/30 19:34
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ソニーのスマートフォン(スマホ)事業の苦境が鮮明だ。2019年3月期の業績見通しでスマホを含む分野の営業損益が950億円の赤字になると30日に発表した。販売台数も4年前の5分の1以下の水準まで落ち込む。米グーグルが最新機種を日本に投入することでスマホメーカー間の競争は今後さらに激化する見通し。事業継続の意義をかけた戦いが続く。

決算を発表するソニーの十時裕樹最高財務責任者(30日午後、東京都港区)

「大変重く受け止めている」。ソニーは30日、20年3月期まで3年連続でスマホ事業を含む「モバイル・コミュニケーション」部門が営業赤字になるとの見通しを発表した。2期連続の最高益更新となる上方修正の発表にもかかわらず、十時裕樹最高財務責任者(CFO)の表情は厳しい。

スマホは18年3月期に固定資産を減損し、4月から新しい経営体制の下で長期的な健全化を目指した取り組みを始めた矢先、販売不振が襲った。震源地はお膝元の日本と、重点地域としてきた欧州だ。期初に1000万台とした販売台数見通しは、7月に900万台、さらに今回700万台まで減少した。

15年3月期に1800億円の減損損失を計上し構造改革を進めてきた。18年3月期の運営コストは15年3月期の半分にまで減った。今回発表した改善策では、20年3月期までにそのさらに半分にして、700万台規模でも黒字化できる体制にする。

競争環境は厳しさを増している。「エクスペリア」で採用している基本ソフト(OS)「アンドロイド」を手がけるグーグルは、自らが開発したスマホ「ピクセル」の最新機種を11月に日本で発売する。

最新OSが常に利用できるなど、アンドロイドOSを搭載する端末のメーカーにとって大きな脅威となる。カメラ機能も前面に打ち出しており、エクスペリアの対象顧客と重なる部分もある。

スマホ以外の事業は好調だ。ゲームは家庭用ゲーム機「プレイステーション4」は本体販売ではピークを越えたが、継続課金やソフトの拡充で高収益を維持。音楽もEMIミュージックパブリッシングの買収で地歩を固める。需要の旺盛な画像センサーでも、3年間の設備投資を2割積み増すと表明した。

前経営陣が推し進めた全社の構造改革はスピード感を重視した。スマホは14年の損失計上以降改革続きで「現場に疲弊感がある」(関係者)。21年3月期の黒字転換は必達だ。(岩戸寿)

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