VW、新型コンパクトSUV「T-Cross」を発表

2018/10/30 17:00
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日経クロステック

独フォルクスワーゲン(VW)は2018年10月25日、コンパクトSUV「T-Cross」を発表した。同社初のコンパクトSUVで、オランダのアムステルダム、中国の上海、ブラジルのサンパウロの3カ所で同日に発表会を実施した。同社のSUVラインアップの中で最も小さく、グローバルモデルとして重要な位置づけになるという。

フォルクスワーゲン「T-Cross」(写真:フォルクスワーゲン)

フォルクスワーゲン「T-Cross」(写真:フォルクスワーゲン)

「Tiguan」より小型で、全長は約4110mm。7月に発表したコンパクトSUV「T-Roc」よりも短い。「MQB(横置きエンジン車用モジュールマトリックス)」プラットフォームを採用した前輪駆動の都市向けSUVだ。ホイールベースを2560mmとして室内空間を広くした。後席に前後スライド機能を設け、最大140mmまで調節できる。荷室容量は後席のスライド量によって385~455Lとなる。また、後席を折りたたむと1281Lまで拡大する。

パワートレーンはガソリンエンジン3種類とディーゼルエンジン1種類の計4種類を用意した。ガソリンエンジンは、GPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)を搭載した排気量1.0Lの3気筒TSIエンジンと、排気量1.5Lの4気筒TSIエンジン。1.0Lエンジンは最高出力が70kWと85kWの2種類がある。1.5Lエンジンの最高出力は110kWとなる。ディーゼルエンジンは、排気量1.6Lの4気筒TDIエンジンのみで、出力は70kW。いずれも現行の排ガス規制「Euro 6d-Temp」に対応している。

高級車に劣らず多数の安全支援システムを用意した。歩行者検知機能付き緊急自動ブレーキ、車線維持システム、坂道発進支援、積極的な乗員保護システム、死角監視機能付き車線変更支援システム、後方クロストラック警告システムなどを標準装備する。ドライバーの疲労を検知するドライバー警告システムや自動アダプティブ・クルーズ・コントロール、駐車支援システムなどはオプションで用意した。

欧州向けのT-CrossはスペインNavarra工場で生産する。同工場ではMQBプラットフォームを共有する「Polo」を生産している。同社は2019年までに10億ユーロを投資して、小型SUVの需要増に対応する。南米と中国では、T-Crossをそれぞれの市場に合わせたバージョンで製造する。

■世界規模でSUV攻勢を強めるVW

VWのSUVラインアップは、高級SUV「Touareg」、中型SUV「Tiguan」と「Tiguan Allspace」、小型SUV「T-Roc」にコンパクトSUVの「T-Cross」が加わり5モデルになった。現在、世界中でSUVの人気が高まっている。VWでも、販売する車両の5分の1がSUVであり、特に今後も中国や南北アメリカ大陸で成長すると予測し、2025年にはSUVが全体の半分を占めると見ている。

SUVラインアップも成長に合わせて拡大させる予定。米国では18年に、米国専用7人乗りSUV「Atlas」の派生モデルとして「Cross Sport」と「Tanoak」の二つのコンセプトカーを発表した。中国でも将来に投入を見込むファミリー向けSUV「Tharu」と中型SUV「Tayron」がある。25年までには世界で地域専用モデルを含めて30モデルになるという。

欧州でT-Crossの後に続くのは電気自動車のSUV「ID. CROZZ」で、20年に発売する。ID. CROZZは、同社の電動化戦略「eモビリティー」に沿ったモデルの一つ。同社は、25年までに20車種の完全電気自動車を市場に投入することを目指している。同社は成長が見込めるSUVセグメントへの攻勢を強め、そこで得た利益を将来のモビリティーである電動車や自動運転の開発に必要な数十億ユーロの投資に充て、中核事業を強化していく。

(ライター 櫛谷さえ子)

[日経 xTECH 2018年10月29日掲載]

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