宿+体験 共同開発へ JR四国、エアビーと包括提携

2018/10/30 6:00
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JR四国は29日、民泊仲介の大手、米エアビーアンドビーの日本法人と観光事業で包括提携すると発表した。鉄道会社とエアビーが組むのは初めてで、11月17日に調印式を開く。酒造りや農業といった体験型の観光商品を共同開発し、JR四国の簡易宿所と合わせて世界に発信する。四国へのインバウンド(訪日外国人)を増やし、鉄道収入の増加にもつなげる。

11月に阿波池田駅前に開業予定の簡易宿所(徳島県三好市)

11月に阿波池田駅前に開業予定の簡易宿所(徳島県三好市)

JR四国は同月17日に、四国内で初の簡易宿所「4S STAY 阿波池田駅前」(徳島県三好市)を開業する。延べ床面積は約250平方メートルで、5室で最大27人の宿泊が可能。料金は1室当たり1人の利用で5500~8700円(通常・閑散期)。1階には飲食店が入る予定だ。

四国での簡易宿所の展開を機に、エアビーと観光事業で提携する。阿波池田駅の周辺に残る酒蔵や古い町並みなどを活用し、酒造りや着付け、町歩きなどの体験型の観光商品を売り込む。同駅は外国人観光客に人気の祖谷・大歩危地区が近く、地元と連携して観光商品のラインアップを充実させる。

簡易宿所の予約はエアビーに加えて「楽天トラベル」や「じゃらん」などでも受け付けるが、簡易宿所と体験型の観光商品を合わせた事業はエアビーのみと展開する。JR四国はエアビーを通じて、世界に四国の観光情報を発信する。

JR四国は4月に京都市で簡易宿所の第1号を開業した。エアビーとの提携の枠組みに京都市の簡易宿所も含むが、JR四国の半井真司社長は高松市内での記者会見で「四国の観光促進につなげていきたい」と強調する。日本らしい歴史や文化が多く残る四国の魅力をうまく生かした事業展開を進める。

JR四国は今後、空き物件などを活用した簡易宿所事業を四国内で加速する。人口減少で四国在住者の鉄道利用の伸びは期待しにくい一方で「インバウンドは今後も底堅く、期待できる」(半井社長)として、簡易宿所による観光客の受け皿作りを進める。

JR四国が同日発表した2018年4~9月の上半期の旅客収入は前年同期比7.5%減の183億円だった。西日本豪雨や台風といった自然災害が影響し、大きく落ち込んだ。(辻征弥)

▼簡易宿所 旅館業法に基づく営業形態の一つ。ホテルや旅館とは違い、玄関帳場(フロント)に関する国の法令上の規制はない。インバウンド(訪日外国人)などの宿泊需要に対応しようと、2016年4月に許可基準が緩和され、営業許可を取得しやすくなった。

インバウンドを取り込もうと四国内でも簡易宿所は増えている。17年度末に4県の合計で1382施設あり、前年の同時期と比べると7%増えた。

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