2018年12月11日(火)

メルケル与党、独ヘッセン州でも敗北 苦境一段と

ドイツ政局
ヨーロッパ
2018/10/29 9:40
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【ベルリン=石川潤】ドイツ西部、ヘッセン州で28日実施された州議会選挙で、メルケル首相率いる与党、キリスト教民主同盟(CDU)が得票率を大きく落とした。選挙管理委員会の暫定結果によると、前回2013年よりも11ポイント強低い27%と52年ぶりの低水準に落ち込んだ。第1党の座は確保するが、14日のバイエルン州議会選に続く事実上の敗北で、メルケル首相は一段と厳しい立場に追い込まれる。

27日、トルコ・イスタンブールで記者会見するドイツのメルケル首相(タス=共同)

27日、トルコ・イスタンブールで記者会見するドイツのメルケル首相(タス=共同)

「手痛い後退だ。謙虚に受け止めなければならない」。選挙戦を率いたCDUのブフィエ州首相は28日夜、厳しい表情で語った。第1党の座を失う最悪の事態は回避したが、4割前後の得票率が当たり前だった同党にとって苦い結果となった。

ドイツメディアは今回の選挙を「運命の選挙」と名付け、与党の退潮に歯止めがかからなければ、メルケル政権の今後は危ういと指摘してきた。メルケル氏は「州議会選挙をミニ国政選挙のように扱うことはできない」と予防線を張ってきたが、責任論を逃れられるかは微妙な情勢だ。

CDUの得票率は前回よりも11.3ポイント低い27%。国政でCDUと大連立政権を組むドイツ社会民主党(SPD)も10.9ポイント低い19.8%と、歴史的な大敗になる。政権内に対立を抱えて迷走する政権への批判が支持離れにつながった。

ヘッセン州でCDUと連立を組む緑の党は得票率を前回の2倍近い19.8%にして躍進。政権担当能力への評価が高まり、国政のメルケル政権への批判票の受け皿になった。中心都市のフランクフルトなどで関心が高いディーゼル車の走行禁止問題で、CDUが有効な政策を打ち出せなかったことも追い風になった。極右の「ドイツのための選択肢(AfD)」も前回の約3倍の13.1%の得票率で、州議会入りを果たす見込みだ。

二大政党が支持を失い、緑の党と極右政党が勢力を伸ばす構図は、14日のバイエルン州議会選挙と重なる。バイエルン州ではCDUの姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗したが、今回はメルケル氏が自ら率いるCDUの敗北だけに、ダメージも大きい。

国政で大連立を組むCDUとSPDは選挙後、それぞれ党の立て直しに向けた議論に入る。CDUは12月に党大会を控えており、メルケル氏の党首続投を認めるかどうかが最大の焦点になる。

SPD内では、自分たちの政策を実現できずに党の存在感をかえって失わせているとして、大連立政権からの離脱論がくすぶっている。仮にSPDが政権から離脱すれば、CDUによる少数与党内閣か、議会の解散・総選挙が視野に入る。

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