2018年11月14日(水)

両陛下、海づくり大会出席 最後の「三大行幸啓」

社会
2018/10/28 17:22
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高知県を訪問中の天皇、皇后両陛下は28日、高知市で全国豊かな海づくり大会の式典に臨まれた。皇太子夫妻時代から参加を続ける行事の一つで、水産資源の保護や環境保全などに取り組む漁業関係者らを長年励まされてきた。代替わりを2019年に控え、毎年恒例の全国植樹祭や国民体育大会を含む「三大行幸啓」は今回が最後。両陛下は29日に帰京される。

第38回全国豊かな海づくり大会で稚魚を放流する天皇、皇后両陛下(28日午後、高知県土佐市)

両陛下はこの日、「高知市文化プラザかるぽーと」で式典に出席後、土佐市の「宇佐しおかぜ公園」へ車で移動。地元の中高生からバケツに入ったイサキとイシダイの稚魚を受け取り、台の上から慎重に放流された。

海づくり大会は、戦後の経済発展の陰で工場廃水や乱獲により荒廃した海の環境を取り戻そうと始まった「放魚祭」を前身に、漁業関係者が中心となって創設された。両陛下は1981年の大分県での第1回大会以降、88年を除き、毎年出席されてきた。

天皇陛下は魚類学者としても知られ、85年の北海道大会の際には、自らサロマ湖に入りハゼを採集。本州が北限とされていたハゼの一種、ヌマチチブを発見された。水産試験場職員として同行した石野健吾さん(65)は「知識が豊富で、河畔の木々に至るまで魚の生育環境をよく観察されていた」と振り返る。

海づくり大会は今回で38回目。一時深刻な不漁に陥った瀬戸内海のサワラが稚魚の放流で数を増やすなど、大会が呼びかけてきた「つくり育てる漁業」が各地に根付きつつある。

大会に長年関わる全国漁業協同組合連合会の長屋信博代表理事専務(69)は「魚について深い知識や関心を持つ天皇陛下が関わり続けてくださったことが関係者の励みになり、取り組みを進める上で大きな力になった」と話している。

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