特殊詐欺、半数が報酬なし 神奈川県警が逮捕者に調査 - 日本経済新聞
/

特殊詐欺、半数が報酬なし 神奈川県警が逮捕者に調査

報酬はもらえず、代償は高い――。特殊詐欺事件の逮捕者の半数以上が詐欺グループ内で約束された報酬を得ていないことが27日、神奈川県警が逮捕した容疑者らを対象に実施した調査で分かった。「大学をやめた」「離婚した」との回答もあり、加担したことを後悔している実態が浮かび上がった。

1~9月に逮捕した162人のうち96人が回答し、ほとんどが「受け子」と呼ばれ、被害者から金などを直接受け取る組織末端の役割。10代と20代で84%を占めた。詐欺グループに加わる若者は増加傾向にあり、実態を明らかにすることで歯止めをかける狙いがある。県警は「安易な気持ちで加担しているが、少額すらもらえずに切り捨てられる」と警告している。

動機は80%が「一時的な金稼ぎ」のためとしたが、51%は約束した報酬を全く受け取れず、得られた場合でも半数近くが10万円未満だった。

逮捕によって専門学校の入学や就職の内定が取り消されたケースも。「報酬をもらえずに逮捕された上、弁護士費用や被害弁済に金を払った」「詐欺グループの仕返しを恐れる毎日」との回答や、「指示役は信じるな」「受け子は逮捕要員」との自らの反省を踏まえた"助言"もあった。

約7割が友人や学校の先輩といった知人からの勧誘で詐欺グループに加わっており、県警幹部は「自宅などを知られているため家族に害が及ぶことを恐れ、無報酬なのに抜け出せないケースもある」と指摘した。〔共同〕

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません