四国電力は26日、伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)を27日未明に再稼働する見通しであることを明らかにした。四国で原発が動くのは2017年10月以来、1年ぶり。30日に送電を開始し、11月28日に営業運転に移行することを目指す。四国電は伊方3号機の稼働で、月35億円程度の収支改善を見込む。
伊方3号機は17年10月に定期検査に入り、当初は18年1月に再稼働する予定だった。だが、17年12月に広島高裁が阿蘇山の噴火リスクを理由に運転差し止めの仮処分を命じた。その後、18年9月に広島高裁が四国電の異議申し立てを認め、差し止め決定を取り消した。
広島高裁の当初の決定が「18年9月末まで」と期限付きだったため、住民側は期限延長を求めて広島地裁に仮処分を申し立てていた。これに関して、広島地裁は26日に申し立てを却下し、伊方3号機の再稼働を認めた。
四国電は10月上旬に伊方3号機に核燃料を装荷し、再稼働の準備を進めてきた。26日の広島地裁の決定を踏まえ、四国電は「安全・安定運転に万全を期す」とのコメントを発表した。
伊方3号機の出力は89万キロワットで、四国電の発電設備の出力合計の15%を占める。1、2号機の廃炉が既に決まっており、四国内で運転可能な原発は3号機のみとなっている。