金融人材「理工系の需要強く」、若田部日銀副総裁
「ニッポンの革新力」シンポジウム
日銀の若田部昌澄副総裁は基調講演で、金融産業の技術革新を踏まえ「科学、技術、工学、数学といったSTEM教育を受けた人材への需要がますます強まる」と話した。こうした人材はほかの分野でも需要があるため「金融産業が自分たちの魅力を訴えられるかが課題だ」と指摘した。
金融政策に関して、資産価格が上昇した際の対応として「意図的なバブル潰しを強力に進めれば、むしろ経済を深刻な不況に陥らせるリスクがある」との認識を示した。
一方、ジャーナリストの池上彰氏とアジア開発銀行研究所の吉野直行所長は対談の中で、金融緩和の副作用に警鐘を鳴らした。吉野氏は1980年代がカネ余りで不動産向けの融資が増えてバブル経済を招いたとして「金融を緩和しすぎると、同じことが起きるだろう」と指摘した。池上氏は「いま不動産向けだけが伸びているなら、早めに芽を摘むことが必要だ」と応じた。
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