サナテックシード、筑波大発ベンチャーに
遺伝子を効率良く改変できる「ゲノム編集」技術を利用して品種改良された農作物を販売するサナテックシード(東京・港)が「筑波大学発ベンチャー」として同大に承認された。同社はストレス軽減や血圧降下が期待されるアミノ酸の一種「GABA(ギャバ)」を通常の4~5倍含むトマトを年間数トン程度生産し、2019年末にも販売を目指す。

ゲノム編集技術を使ったトマトは内閣府のプログラムのもとで開発された。同社の取締役最高技術責任者を務める筑波大の江面浩教授は「ゲノム編集技術を使った野菜などの販売はおそらく世界で初めてになる。対面で顔の見える形で売りたい」と話す。トマトから始め、最終的には種子の販売につなげたい考えだ。
ゲノム編集技術を使った農作物を巡っては、環境省や厚生労働省が安全性などについて議論しており、今年度中に方針をまとめる予定。同社は国の議論が終わり次第必要な手続きをとるという。
筑波大発ベンチャーは同大の教育研究に基づいた新技術などをもとに設立した企業で、同社で140社となった。