2019年5月24日(金)

「アベマに積極投資」サイバーエージェント藤田社長

2018/10/25 19:52
保存
共有
印刷
その他

サイバーエージェントは25日、2018年9月期の連結決算を発表した。力を入れているインターネットテレビ「アベマTV」は先行投資が重なり赤字を計上したが、藤田晋社長は「これからも積極投資を続け、コンテンツの拡充を進める」と記者会見で述べた。インターネット広告とゲームの事業は好調で、強気の姿勢を崩していない。

決算発表する藤田晋社長(25日、東京都千代田区)

藤田社長はアベマTVについて「ネット広告の収入だけではなく、アベマTVの有料会員も増えている」と強調した。

サイバーエージェントの18年9月期の売上高は前の期を13%上回り、過去最高の4195億円。営業利益は1.8%減の301億円だった。主力であるネット広告事業の利益は213億円に成長したが、アベマTVの事業は番組制作などの先行投資がかさみ、200億円規模の赤字を計上した。ネット広告やゲームで赤字を補っている。

ただしサイバーエージェントにとって、アベマの赤字は「想定内」だ。専用アプリの累計ダウンロード数は16年4月の開局から増え続け、3400万件を突破した。傘下のプロレス団体、DDTプロレスリング(東京・新宿)やプロマージャンリーグ「Mリーグ」の試合も中継する。サッカーJリーグ2部のFC町田ゼルビアを買収し、将来的なJリーグの放映権獲得にも意欲を示した。

藤田社長は19年度も「『72時間ホンネテレビ』など、世の中の話題になるコンテンツを配信していく」と語った。「来期の制作費も増加する見通し」と話し、さらに資金を投じる姿勢を見せた。

アベマの収益を改善するカギとなるのはコンテンツの水準向上だ。アベマTVを運営する子会社は23日に電通や博報堂DYメディアパートナーズ(MP)から出資を受けた。両社の番組買い付け力を生かし、スポーツやアニメ、映画などの番組を増やす狙いがある。

サイバーエージェントがアベマTVに積極投資する背景には、若者を中心としたテレビ離れがある。若い世代を中心にスマートフォン(スマホ)などで好きな場所で番組を見たいという需要が高まり、NHKもテレビ放送とインターネットの常時同時配信を目指す。インターネットで番組を見る傾向は今後さらに高まっていく見通しだ。

藤田社長は「(アベマTVへの投資源となるネット広告やゲームの)既存事業の失速を懸念していたが、影響はない」と語る。長期的な目標のためには短期的な利益の犠牲もいとわない姿勢で、今後もアベマTVを3本目の事業の柱に育てていく構えだ。

(北戸明良)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報