新潟大、北里大と肺炎治療物質の共同研究
新潟大学は北里大学と新薬の開発に向けた共同研究契約を結んだ。肺炎などの治療薬づくりにつながる化学物質の合成と効果の確認に取り組む。プロジェクトには2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授も加わり、助言や企業との研究の橋渡しをする。
共同研究は21年9月末まで取り組む予定だ。今後3年間で新薬の候補となる物質をつくった後に、マウスを使った実験で効果を確かめる計画だ。
北里大の砂塚敏明教授らが化学物質の設計と合成を担当し、新潟大の寺尾豊教授らが詳細な効果を確認する役割を担う。
研究対象の「マクロライド系」と呼ぶ抗生物質は幅広い病気の治療に使われる一方、副作用として治療薬がより効きづらい「耐性菌」を生む恐れがある。共同研究では耐性菌を発生させず、身体の免疫を適度に調節できるような治療薬の候補物質をつくり、その後の実用化につなげる。