産業ロボ出荷5%減 9四半期ぶり 貿易摩擦の影響で中国向け2割減

2018/10/26 0:00
保存
共有
印刷
その他

日本ロボット工業会(東京・港)が25日発表した2018年7~9月の産業用ロボット出荷額(会員ベース)は、総出荷額が前年同期比5.0%減の1861億円となった。減少は16年4~6月期以来、9四半期ぶり。輸出の中心となっている中国向けが2割近い減少となったことが響いた。高成長が続いた産業用ロボット市場は踊り場を迎えている。

総出荷額のうち国内向けの出荷額は0.7%減の480億円とほぼ横ばいだった。一方、輸出額は6.5%減の1381億円。輸出額の減少は8四半期ぶりとなる。輸出減の大きな要因は、半分近くを占める中国向けの不振で、18.5%減の555億円だった。

産業用ロボットの用途は大きく自動車向けと電子機器向けに分かれる。中国向けは自動車の溶接工程に使われるロボットは横ばいだったものの、電子部品の組み立て用に使われるロボットが大きく落ち込んだ。

背景には米中間の貿易摩擦がある。日本ロボット工業会によると、中国の自動車部品メーカーなどの間で貿易摩擦の影響で、投資の決定が先送りになった例があったという。「中国企業も中国で投資していいのか、海外に投資すべきか決めかねている」(同工業会)

日本の大手ロボットメーカーの間にも影響は出ている。安川電機は18年3~8月期決算で、ロボット事業の売上高と営業利益の従来見通しをそれぞれ引き下げた。同社は「受注の伸びが期初の想定に届いていない」とし工場の操業度を下げ、在庫の増加を計画より抑える方針に切り替えた。

米中貿易摩擦を受けた投資の様子見の動きについて、同工業会は「影響が19年の初頭まで続くとみる会社と、それ以降もこの傾向が続くとみるメーカーに分かれる」としている。

一方で、少子化や経済成長による人件費高騰といった経済構造自体に変化はなく、自動化の需要自体は変わらないとの見方は多い。「このまま下がり続けるという見方をしているというメーカーはあまりない」(同工業会)という。国際ロボット連盟(IFR)も、世界のロボット販売台数は21年まで年平均14%程度の成長を続けると予測する。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]