近畿大阪銀、大工大と提携 中小の知財戦略を支援
りそな銀行と近畿大阪銀行は25日、大阪工業大学と産学連携協定を結んだ。技術力や事業モデルを踏まえたスタートアップ・中小企業の客観的な評価書を作成し、特許戦略や商標登録などで助言する。大阪工業大は個別企業の課題を授業の教材や研究テーマとし、解決策を模索する。知的財産の観点から企業の成長を後押しする。

支援策のひとつとして「知財ビジネス評価書」を作成する。企業の技術力や製品を評価し、事業モデルやアイデアがどれくらいの収益を生み出すかを分析する。独創性や成長性などの項目ごとに点数を出し、課題も指摘する。作成期間は約1カ月、費用は20万円程度かかる。
企業は客観的な評価を受けられるため、取引先や金融機関から信頼を得やすい。りそな銀や近畿大阪銀も企業に対する理解が深まり、事業性融資の判断材料になる。企業が成長するタイミングで資金需要の発生も期待できる。
地域金融機関が専門家の力を借りて知財を評価し、融資の判断材料としたり、経営指南したりする事例は増えている。ただ、技術や製品の評価にとどまるケースが多く、企業の総合評価や課題解決まで踏みこむことは珍しいという。大阪工業大の小林昭寛教授は「中小企業は自社の強みを分かっていないことが多い」と指摘する。
近畿大阪銀の中前公志社長は大阪府に有力な中小企業が集まっているとしたうえで、「自社の知財をよく理解して戦略を練ることが大事」と訴える。りそな銀の小坂肇副社長も「今回の連携を武器に関西経済や顧客の発展に貢献したい」と力を込めた。
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