2018年11月15日(木)

賠償なら日韓企業のビジネスに影響も 徴用工裁判
韓国徴用工裁判特集

政治
朝鮮半島
2018/10/27 1:11
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日本企業は韓国最高裁の結審の行方を注視している。新日鉄住金に賠償責任があるとの判決が出れば、同様の裁判を抱える三菱重工業不二越など他の日本企業にも原告勝訴の判決が下される可能性が高まるからだ。賠償に応じなければ韓国内の資産が差し押さえられる可能性もある。

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「徴用工問題は日韓請求権協定で完全に解決している。大法院(最高裁)が正しい判決を下すと確信している」。30日の判決を控え、新日鉄住金はこう強調する。だが、2012年に最高裁が「個人賠償請求権は有効」として新日本製鉄(当時)と三菱重工業に賠償責任があるとの判断を下して以来、日本企業の敗訴の流れは強まっている。

13年7月、ソウル高裁と釜山高裁であった差し戻し控訴審では、両社に1人あたり8000万~1億ウォン(約1千万円)の賠償を命令。14年10月にはソウル中央地裁が工作機械メーカーの不二越に同額の支払いを命じた。

元徴用工の支援団体によると、今年8月時点で三菱重工、新日鉄住金、不二越のほか、横浜ゴム住石ホールディングス日立造船など約70社を相手取った15件の裁判が進行中だ。原告は合計で1千人近い。

30日の判決で賠償命令が下された場合、新日鉄住金は賠償に応じるかどうかの判断を迫られる。同社は「仮定の話には答えられない」としている。原告側弁護士は同社の資産の差し押さえも検討するが、韓国内には目立った資産がないとみており、現実的には困難との見方も出ている。

韓国政府に申告した強制徴用被害者は22万人以上いる。今回、原告勝訴の判決が出れば、日本企業に賠償を求める訴訟がさらに増える恐れもある。

新日鉄住金が賠償に応じず資産や債権が差し押さえられる事態に発展すれば、韓国での日本企業のビジネス環境は大きく損なわれる。悪影響は日本企業にとどまらず、取引がある韓国企業にも及ぶ。

(ソウル=鈴木壮太郎)

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