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スーパー小型株、独自のモノサシで選定(話題の投信)

三井住友アセットマネジメントが運用する「スーパー小型株ポートフォリオ」は、1994年6月の設定から20年以上の運用実績がある長寿ファンドだ。純資産総額(残高)は13億円程度と小粒だが、運用成績ではきらりと光る存在感を見せている。

9月末時点で過去5年間のリターン(分配金再投資ベース)は200.7%。国内公募の追加型株式投資信託は残高30億円以下の小規模ファンドが全体の約6割を占めるが、この中でトップの運用成績を誇る。同期間の配当込み東証株価指数(TOPIX)の68.7%を大きく上回る好成績だ(図表1)

このファンドが投資するのは国内の小型株で、東証1部上場の時価総額上位500銘柄を除く全てが対象となる。それ以外は特に銘柄選定の縛りはない。担当のファンドマネジャーらが企業価値を分析し、「いい会社を安く買う」というシンプルな運用ポリシーで投資先を選ぶ。

それぞれの企業価値をどう考えるかは、ファンドのパフォーマンスに直結する重要な要素のひとつ。2004年から運用を担当する木村忠央シニアファンドマネジャーは、企業価値の算出に独自の「モノサシ」を用いる。

代表的な投資尺度のPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などは重視しない。木村氏がこだわるのは「短期的な相場動向に左右されない」運用スタンスだ。だからこそ、どんな相場でも使えるモノサシを考案した。

企業価値は「企業が現在持っている価値」と「その企業が3年先までに生み出す価値」を足して算出する。この企業価値を基準にして、株価がこの水準より安い銘柄を買い、高い銘柄は売るというのがこのファンドの運用手法だ。

木村氏が企業価値の算出で最も大切にしていることは、3年先の企業の姿をいかに的確に想像するかだ。1年目と2年目の予想のズレよりも、3年目の未来図が正確に描けていたかどうかで投資成果が大きく違ってくるという。

判断の基になるデータは財務諸表などの数値情報だけでなく、木村氏を含む運用チームが自分の足で稼ぐ。年間約400社に直接訪問して経営者らの話を聞き、その企業が3年先までどれくらいの収益を生み出せるかやその確度を定性的に判断する。

9月末時点の組み入れ銘柄数は87。どの銘柄にもほぼ同じ金額を投資している。業種別ではサービス業と情報・通信業で半分近くを占める。

小型株や中型株は短期の値動きが激しいイメージがあるが、木村氏は「中小型株こそ長期投資に向いている」と話す。この説を裏付けるのが「小型株÷大型株レシオ」のチャートだ(図表2)。東証規模別株価指数のうち小型株で構成される「TOPIXスモール」を大型株で構成される「TOPIX100」で割った値のチャートを92年1月から見てみると、00年ごろからは右肩上がりで小型株優位の相場が続いていることが分かる。

木村氏は今後についても「経済が成熟した日本では規制を緩める方向の政策が目立ち、小さくても新しいビジネスを創造できる企業が恩恵を受ける」とみている。このファンドに関しては「運用哲学に共感してくれる人に長く持ち続けてほしい」(木村氏)という。

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

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