2018年11月14日(水)

セブン、都内初の移動販売 団地の高齢化に対応
新たな市場に

小売り・外食
2018/10/25 15:17
保存
共有
印刷
その他

セブン―イレブン・ジャパンは25日、都内で初となる移動販売を東京都練馬区の団地内で始めた。コンビニエンスストア各社の移動販売は近くに小売店がなく、住民の高齢化が進む地方の過疎地を中心に広まった。ただ都市部の団地などにも住民の高齢化が進み、買い物が不便なエリアも多い。出店しにくい団地内にも入り込んで売り上げを伸ばす。

セブンイレブンは25日、都内で初めての移動販売を始めた(東京都練馬区の光が丘地区)

セブンイレブンは25日、都内で初めての移動販売を始めた(東京都練馬区の光が丘地区)

東京都練馬区の光が丘。大規模団地が立ち並ぶ同地区の広場の一角で、25日からセブンイレブンが移動販売を始めた。軽トラックに弁当やサンドイッチ、おにぎりなど常温や冷蔵・冷凍の約150種類の商品をそろえた。最寄りの店舗が運営し、毎週火曜日と金曜日の週2日、出張販売する。

パンや飲料を購入した92歳の女性は「3年前に近所のスーパーが閉店してから一人では買い物に行けなかった」と話す。ヘルパーの付き添いで週2回、徒歩で10分程度離れた場所にある駅前のスーパーまで買い物に行っていた。これからは「一人で買い物ができる」と笑顔を見せる。

移動販売はコンビニ大手が全国で手掛けている。セブンイレブンは2011年に「セブンあんしんお届け便」の名称で移動販売を始めた。現在は34都道府県で77台の移動販売車を走らせており、19年2月までに100台超の運用を目指す。ローソンでは12年から移動販売に取り組んでおり、39都道府県で112台を展開。ファミリーマートも11年から展開し、全国で18台の移動販売車が稼働している。

各社が移動販売を展開する地域は店舗まで遠く、高齢者の住民が多い地方の過疎地が多い。地震や台風などの災害時には、被災者の買い物支援としても活躍している。たとえば西日本豪雨被害を受けた岡山県倉敷市では、ファミマが移動販売車を走らせている。

ただ日ごろの買い物に不便を感じる住民は、人口流入の続く都内にもいる。

セブンイレブンが移動販売を始めた練馬区光が丘7丁目地区は、65歳以上の高齢者比率は32%と全国平均に比べて5ポイント程度高い。付近の団地は1980年代初頭に入居が始まり、築年数は30年を超えている。最寄りのコンビニやスーパーまでは徒歩で10分程度。遠くはないが、近くもない。そんな場所にも移動販売のニーズがある。

首都圏では、かつてにぎわったベッドタウンの衰えが際立ってきている。日本経済新聞が市区町村別に11~16年の住民所得を調べたところ、首都圏の郊外でドーナツ状に減少が続いていた。代表的なのが60~80年代にかけて公営や民間の団地の建設が相次ぎ、人口が膨らんだ町だ。マイホームを求めて移ってきた団塊世代が年金生活に入ったことも影響しているとみられる。

高齢者は自宅まで商品を届けてくれるインターネット通販に不慣れなことも多い。コンビニ各社の手掛ける移動販売は、高齢者を見守る役割も期待されている。高齢化した住民を抱える都市近郊の団地。ここは出店余地にも限りのあるコンビニにとって新たな市場となる可能性を持っている。(今井拓也)

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報