2019年9月22日(日)

18年度実質成長率は1.2%、19年度は0.9% NEEDS予測
一時的に停滞も、18年度は1%台の成長保つ

2018/10/25 13:58
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、10月24日までに公表された各種経済指標の情報を織り込んだ予測によると、2018年度の実質成長率は1.2%、19年度は0.9%の見通しとなった。

18年7~9月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比0.1%減とみている。設備投資が堅調だったものの、個人消費と輸出が足を引っ張ったもよう。ただ、7~9月期は台風や地震などの一時的要因が実質GDPを下押ししたとみており、10~12月期以降はそれらの要因が解消し、消費や輸出は持ち直す見込み。米中貿易戦争や金融市場の波乱などのリスクもあるが、日本経済は緩やかな成長が続くという見通しは変わらない。

■輸出は10~12月期以降には改善

財務省が10月18日に公表した9月の通関輸出額は前年同月比1.2%減だった。9月は台風で関西国際空港が閉鎖されるなど、自然災害による影響が大きかったとみられる。財輸出のほか、サービス輸出に含まれるインバウンド(訪日外国人)需要にも、天災が影を落としたもようで、7~9月期のGDPベースの実質輸出は前期比1.9%減を見込んでいる。

ただ、10~12月期以降の輸出は持ち直すとみている。10月には米長期金利の上昇を震源として各国株価が下落したが、米国経済は好調を維持している。米サプライマネジメント協会(ISM)公表の9月の景況感指数は、製造業は59.8と依然として好不況の分岐点となる50を10ポイント近く上回る高い水準を維持し、非製造業は08年の指数公表開始以来の最高値となる61.6を記録した。

貿易戦争の相手国である中国も、今のところ成長率は大きく下押しされるには至らないとみている。中国国家統計局が10月19日に公表した7~9月期の実質GDPは前年同期比6.5%増だった。前期から伸びは鈍化したが、10月には個人所得減税や今年3回目の預金準備率引き下げなどの景気対策を行っている。

今後のGDPベースの実質輸出は前期比プラスで推移するとみている。18年度は前年度比2.2%増、19年度は同3.0%増を見込む。

■設備投資は堅調に推移

設備投資関連の指標は好調が続いている。10月10日に内閣府が公表した8月の機械受注統計では、「船舶・電力を除く民需(季調値)」が前月比6.8%増加した。また、国土交通省公表の民間非居住建築物着工床面積は、NEEDS算出の季調値で7~8月平均は4~6月平均を3.8%上回った。GDPベースの設備投資は、4~6月期の前期比3.1%の伸びに続き、7~9月期も同0.2%増と8四半期連続の増加となる見込み。

10~12月期以降も設備投資は堅調な推移が見込まれる。日銀が公表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によれば、18年度の設備投資額(全規模全産業、ソフトウエア・研究開発を含み土地を除く)は前年度比9.2%増となり、前年同時期の調査の伸びを2.5ポイント上回った。本予測では、18年度のGDPベースの実質設備投資は前年度比5.0%増、19年度は同1.6%増を見込んでいる。

■7~9月期の消費は前期比マイナス

内閣府が10月11日に公表した8月の消費総合指数は前月比横ばいで、7~8月平均は4~6月平均を0.5%下回った。7~9月期の個人消費は、前期の高い伸びの反動や、相次ぐ自然災害が下押し要因となり、前期比0.1%減と2四半期ぶりに減少する見通し。

ただ、雇用環境は依然良好で、賃金指標も改善が続いていて、10~12月期以降の消費は前期比プラスの伸びに復帰する。個人消費は消費増税前の19年7~9月期まで前期比プラスが続き、18年度は前年度比0.7%増、19年度も同0.7%増の見込みだ。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが18年9月に公表した改訂短期予測をベースとし、10月15日に閣議決定された18年度第1次補正予算案を追加的に織り込んだ。

(日本経済研究センター 田中顕、デジタル事業BtoBユニット 渡部肇)

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