2019年4月22日(月)

機長、眠気で注意力喪失か 長野ヘリ墜落で報告書

2018/10/25 10:04 (2018/10/25 19:22更新)
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長野県の消防防災ヘリコプターが2017年3月、同県の山中に墜落し搭乗の9人全員が死亡した事故で、運輸安全委員会は25日、ヘリは地上に接近しても回避操作が行われないまま樹木に衝突したとする報告書を公表した。原因として機長が眠気に襲われるなどして注意力を喪失し、危険な状況を認識できなかった可能性があると指摘した。

長野県・鉢伏山の山中に墜落した県の消防防災ヘリ(17年3月)=共同

長野県・鉢伏山の山中に墜落した県の消防防災ヘリ(17年3月)=共同

事故は17年3月5日、長野県松本市の鉢伏山(標高1929メートル)で発生した。ヘリは訓練のため救助隊員ら9人を乗せて同日午後1時33分ごろ、同市の松本空港を離陸。同県塩尻市に向けて時速185キロで水平飛行を続けていた同1時41分ごろ、山頂から約700メートルの地点で樹木に衝突し墜落した。

報告書によると、隊員のヘルメットに付いていたビデオカメラの映像などを分析した結果、ヘリは高度や速度を維持したまま樹木に衝突しており、回避操作はなかったとみられる。樹木と衝突するまでの間に、危険を知らせる乗員の声は記録されていなかった。

原因として機長が眠気に襲われ、マイクロスリープ(ごく短時間の居眠り)に陥るなどして覚醒水準が低下した状態になり、「危険な状況を認識できなかった可能性が考えられる」と指摘。機長が事故6日前まで休暇で時差7時間のフィンランドに旅行していたことや、眠気の生じやすい時間帯だったことを理由に挙げた。

ただ実際にその状態だったかは搭乗者全員が死亡したため、明らかにできなかったとした。

一方、報告書によると、機長は甲状腺の病気で投薬治療中だったにもかかわらず、乗務に必要な航空身体検査証明の申請書で申告していなかった。

阿部守一県知事は25日、「改めて9人に哀悼の意を示し、遺族にお悔やみ申し上げる。二度と同じような事故を起こすまいとの強い決意で安全対策を講じる」とのコメントを出した。

機長が投薬治療中なのに報告しなかったことを指摘されたことに対し、県消防課は「今後はチェックを徹底し、操縦士の健康診断結果を把握するなどして再発を防止する」と話した。

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