南ア、18年成長率を0.7%に下方修正 資源輸出が低迷
【カイロ=飛田雅則】南アフリカ財務省は24日、2018年の実質経済成長率見通しを0.7%と、2月の予算時点の1.5%から引き下げた。世界景気の減速懸念から資源輸出に懸念が出ており、財政赤字の縮小にも時間がかかる見通しだ。通貨ランドの対ドル相場は一時1ドル=14.4ランド台と、発表直前に比べて約2%下げた。
ムボウェニ財務相は同日、今後3年間の中期的な予算編成方針を発表する際に「世界経済の成長を巡るリスクはより明らかになっている」と述べた。税収の低迷が見込まれるとして、18年度の財政赤字の国内総生産(GDP)比もこれまでの3.6%から4%に下方修正した。
足元の南ア経済は干ばつの影響で農業が振るわず、輸出をけん引する鉱業も中国の景気減速が影を落とす。代表的な輸出品のプラチナは欧州の排ガス不正問題が響き、触媒向けの需要が先細りする懸念がある。
失業率は20%台後半と高止まりし、雇用創出が課題だ。汚職が横行したズマ前政権下で海外投資家から信頼を失った反省から、ムボウェニ氏は「信頼を回復し、民間部門への投資を呼び込みたい」として、規制緩和や民間企業の育成に取り組む方針を強調した。